■センターデフの変更でハンドリングはベツモノに
コースコンディションに馴れるとともにペースアップしていくと、より曲がりやすさの違いを顕著に感じるようになる。
従来のDCCDでは特にアンダーステアを感じたアクセルオフしてのターンイン時のノーズの入りがスムーズで、操舵に対するクルマの反応がとても気持ちいい。
続いて「AUTO」モードのまま「−」側に設定すると、やはり想像どおりより回頭性がスムーズになった。
今度は「+」に設定を変更してみると、これまた想像のとおり、先ほどと比べてフロントの入りが少し鈍くなり、アンダーステアの傾向を感じる。操舵力も少し重くなった印象だ。
「AUTO+」は雪道やグラベル路面など低ミュー路を走る際によさそう。グリップ高いターマック路面では「AUTO−」設定がベストだ。
さらにマニュアル設定でセンターデフフリー状態を試したが、ターンインではクルリととても軽快に曲がるいっぽう、立ち上がりでアクセルを踏んでトラクションをかけていくとフロントがちょっと腰砕けになったような動きをして落ち着きがなくなってしまう。
何段階か試してみたが、ボクのベストはやはり「AUTO−」だ。
■エンジンは、パワフルではあるが……
2L水平対向4気筒ターボエンジンについては、パワフルではあるが、設計の古さを感じる場面も多々あった。
特に2000~4000rpm付近でのレスポンスの悪さ。コーナリングでギア比の関係から2速には落とせず3速のまま曲がるような場面。
スッと回頭性がよくなったハンドリング性能の改善も手伝って、アクセルワークで挙動コントロールをしたいのだが、アクセルペダルを踏んでも離してもまったくトルクがレスポンスしてくれない領域がある。
このような場面でアクセル操作にエンジンがシャープに反応してくれると車両全体の挙動コントロールの幅が広がる。その面ではWRX S4の直噴ターボFA20エンジンのほうが優れていると思う。
実はブレーキのレベルアップにも驚かされていた。フロント6ポッドのモノブロックキャリパーを採用しているのだが、剛性がものすごく高く、ペダル操作に対する反応がとてもリニア。
微妙な踏力のコントロールでブレーキ力を自在にできるので、こちらは挙動コントロールの幅を広げてくれている。
さらにローターの熱容量が拡大しており、耐フェード性がとても高く、アップダウンのキツイ今回のコースを3周本気で走らせたが、まったくペダルタッチに変化はなく、フェードの兆候すら感じなかった。
☆ ☆ ☆
かなり辛口な評価だった松田氏のWRX STI評(特に今回進化のなかったエンジン)。しかしそれだけに評価の高かったハンドリングとブレーキ性能の向上は注目ポイント。
気になる方はぜひディーラーで試乗して味わってほしい。本企画担当も乗ってみたい!!!(その後ちょこっとだけ乗りました。すげーいい!!)
【スバルWRX STI】
- 全長4596mm×全幅1795mm×全高1475mm
- ホイールベース2650mm
- 車両重量1490kg
- 最高出力308ps/6400rpm
- 最大トルク43.0kgm/4400rpm
- JC08モード燃費9.4km/L
- 価格406万800円
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