■ベンツGLBってどんなクルマ⁉
3列7人乗りのSUVというと、日本車ではCX-8をすぐ思い浮かべるが、輸入車として初めてその市場に斬り込んできたのがメルセデスGLBだ。
クルマの成り立ちとしては、先行デビューしていたGLAのホイールベースを100mm延長して3列目シートを増設したパッケージングで、プラットフォームやパワートレーンはGLAと共通。ゆえに、乗る前は「たぶんGLAと大差ない乗り味なんでしょ……」と予想していた。
ところが、実際に試乗してみると、両車のドライブフィールは意外なほど異なる性格づけが与えられているのにビックリ。
ひと言で言うと、GLAはややゴツゴツしたSUVっぽいシャシーセッティングで、8速DCTの変速フィールもスパッとした切れ味重視。
ゆったり走るには洗練度がイマイチだが、飛ばすと俄然活気づくというやんちゃな性格が与えられている。
いっぽうGLBの方は対照的に全体の乗り味が穏やかで、サスペンションの当たりはソフトだしDCTの変速フィールも「ひょっとしてステップATか?」と勘違いほどスムーズ。
同じエンジン/プラットフォームながら、3列シートから連想されるファミリーユースが強く意識されているのだ。
細かいことを言えば、3列目シートへの乗降性など、使い勝手の面でこなれていない部分はあるのだが、ぼくの予想以上に最近のメルセデスのクルマ造りが“マーケットイン”だったということ。
市場さえあれば、メルセデスが日本車みたいなミニバンを造る可能性だって大いにあると思う。
かつてのメルセデスは「最善か無か」のキャッチフレーズでわかるとおり、庶民のニーズに迎合するような自動車メーカーではなかった。
それが、今やファミリー向けのSUVだってちゃんとこしらえてくれるフレンドリーな会社になったというわけです。
メルセデスを神のような存在と思っていたオールドマニアには一抹の寂しさはあるけれど、これも時代の流れ。われわれユーザーも、気負わず気軽にメルセデスと付き合ってゆくべきなんでしょうねぇ。
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