日産の人気コンパクトカー、「新型ノート」が本日発売。モデルチェンジで異例の小型化。その理由とは?
日産の新型ノートが、今日2020年12月23日発売された。従来型は2016年にe-POWERを追加、同年11月には日産車としては実に約30年振りの販売台数No.1を獲得したものの、すでに登場から8年目を迎えていた。
そうしたなかで待望のフルモデルチェンジ車となる新型ノートは、従来型よりひとまわり小さくなって登場。モデルチェンジに伴う進化とともに大型化する車が多いなか極めて異例の小型化を敢行した背景とは。
文:御堀直嗣
写真:ベストカーWeb編集部 NISSAN
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■全長短縮とe-POWER専用化など思い切った改革を敢行
新車が発売されるたびに肥大化する現在、日産自動車の新型ノートは、車体全長を前型に比べ5.5cm短くした。またホイールベースも2cm短くなっている。一方、全幅は1.695mで変わらない。
全長が5cm以上短くなったとはいえ、近年の日産車の象徴であるVモーショングリルを新しくし、簡素でありながら立体的な塊(かたまり)感覚を備えた外観は、電動車のための新しい姿とデザイナーが語る通り見栄えはよく、存在感がある。
ガソリンエンジン車をやめ、e-POWER専用車としたことにより、5ナンバー枠の小型車でありながら胸を張れる高品質さが伝わってくる。
新車が、前型に比べ小型化されることは珍しいが、日産では前例がある。7代目のスカイラインから8代目のスカイラインへ、ファンにとっては型式名でいった方が馴染みはあるかもしれない、R31からR32へのモデルチェンジに際して、あえて車体を小型化したのであった。
■スカイラインは小型化で“名車”復活
驚きをもって迎えられたが、スカイラインファンは歓迎した。理由は、当時盛んであったグループAレースで勝つためである。そしてGT-Rが復活した。
GT-Rはブリスターフェンダーにより3ナンバーとなったが、標準車は5ナンバーである。小型化の判断は、グループAでの圧倒的勝利と、その後の連勝、そして海外でも他を圧する勝利をあげ、世界にその名を知らしめる成功の結果をもたらした。
当時のスカイラインGT-Rは国内専用車だったが、並行輸入による愛好者は海外にもいる。
新型ノートも、日本で愛用されたe-POWERを海外へも展開する旗頭となる。基本的には日本専用車だが、発表記者会見でアシュワ・グプタ最高執行責任者はタイとインドで販売するとも語っており、少なくともe-POWERというシリーズ式ハイブリッドの電動車は、なんらかのかたちで中国や欧州で今後販売される予定である。
R32スカイラインとは異なる目的ではあるが、新型ノートは、e-POWERの世界戦略において重要な位置づけのクルマである。
そのプラットフォームは、提携関係にあるルノーの新型ルーテシア(現地名はクリオ)と共通であり、世界戦略を視野に入れた車種であることがここからも見えてきそうだ。
それでも、あえて車体を小型化した理由はどこにあるのだろうか。以下は、筆者の推測である。
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