実はRAV4のガチ対抗馬!!? キャデラックの「刺客」 新型XT4は日本向きのSUVか??

BMW、ベンツより「お手頃」なキャデラック XT4

RAV4のサイズは、全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mm。XT4と同じくらいのサイズである
RAV4のサイズは、全長4600mm×全幅1855mm×全高1685mm。XT4と同じくらいのサイズである

 “コンパクトSUV”を自称するXT4だが、日本でのサイズ感はミドルクラス。RAV4やCX-5、CR-V、そしてフォレスターのほか、日本でたくさん売れた日産エクストレイルや大ヒットモデルとなっているトヨタ ハリアーとも同じサイズ感だ。

 つまり、日本でも多くの人にとって自然に受け入れられるサイズということになる。これは日本市場で販売台数を伸ばそうとするうえで、大きなポイントなのだ。

 もちろん、競合するのは日本車ではなくX3、GLC、Q5などプレミアムブランドということになり、前出のとおりドイツのライバルに比べると少し小さいので扱いやすいサイズと言える(そのぶんエバりが効かないという人もいるかもしれないが、そういうひとはワンサイズアップのXT5を買うのがいいだろう)。

 そのうえで、ドイツ勢のプレミアムブランドに対して大きく有利なポイントがある。それは価格。Q5は649万円、X3は675万円、そしてGLCは708万円なのに対して、XT4は570万円からと安いのだ。ちなみにXT4の駆動方式は全車とも4WDである。

XT4の競合車は、BMWX3(675万円)、メルセデスベンツGLC(708万円)、アウディQ5(649万円)。価格は、競合車よりもXT4のほうが安い
XT4の競合車は、BMWX3(675万円)、メルセデスベンツGLC(708万円)、アウディQ5(649万円)。価格は、競合車よりもXT4のほうが安い

 「価格なんて気にせずクルマを選べる」といううらやましい人にとってはどうでもいい話だが、Dセグメント輸入車のプレミアムSUVを狙っていて、少しでも安く買いたいというのなら積極的に選ぶ意味があるのがXT4といっていい。

 もちろん、そんな少し後ろ向きな理由でなくても、「街であまり見かけない」とか、「知り合いとカブる心配がなさそう」なんていうアプローチで選択するのも悪くない。

シートやドアトリムのステッチは、機械ではなく人の手で縫い上げている。ウルトラビューパノラミックサンルーフも採用(グレード:プラチナ)
シートやドアトリムのステッチは、機械ではなく人の手で縫い上げている。ウルトラビューパノラミックサンルーフも採用(グレード:プラチナ)

 エッジの効いたスタイルは個性的だし、贅を尽くしたインテリアはアメリカンラグジュアリーの世界観にどっぷりと浸れる。

 本革シートを全車に標準装備するほか、ウッドパネルは本物の杢目材、加飾は“金属調”ではなく本物の金属、室内各所の手が触れる部分にはふんだんにレザーを採用と、インテリアの仕立ては欧州プレミアムのライバル以上に高品質だ。変化球のプレミアムSUVとして、かなり魅力的な商品といっていい。

新型XT4は日本向けのキャデラックか?

 さて、ここからはもう少し踏み込んで日本市場への適性を見てみよう。230psを発生する4気筒ガソリンターボエンジンは、排気量が2.0Lだから自動車税が手頃なのがいい。今どきのアメ車はエンジン排気量も小さめなのだ。

 正確にいえば、ハイオクではなくレギュラーガソリン仕様(フォード・エクスプローラーの日本に最後のモデルなどはターボエンジン車もレギュラー対応だった)なら完ぺきだったけれど、そこは大目に見よう。

 プレミアムブランドだけに先進安全装備も充実し、全方位モニターは全車に採用。「プラチナム」や「スポーツ」ではACC(先行車追従型クルーズコントロール)や後方のオートマチックブレーキも組み込まれている。

今回、最新の地図データをストリーミングできるナビが搭載。不安視されていたナビが改良された
今回、最新の地図データをストリーミングできるナビが搭載。不安視されていたナビが改良された

 そのうえ注目したいのがナビだ。これまでGMは日本向けモデルのナビに苦労していたが、XT4ではGMジャパンがゼンリンデータコムと共同開発した完全車載通信ナビ「クラウドストリーミングナビ」を全車に搭載。

 通信を活用して常に最新の地図をストリーミング表示しつつ、トンネル内などでGPS測位ができない環境でも自社位置を失わない道案内してくれるのだから頼もしい。

 ついにGMの日本向けモデルからナビに関しての不安が払しょくされたのは、大きなニュースだ。

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