■室内の使い勝手をさらにチェックすると?
後席を前端までスライドさせ、膝先空間を握りコブシ2つ分まで詰めても、後席に座る乗員の足が前席の下に収まりやすいから窮屈には感じない。
新型では荷室を拡大したから、後席を前端までスライドさせると、荷室長は715mmに達する。
余裕のある積載容量と、4名乗車時の快適な居住性を小さなボディで両立させた。シートアレンジも簡単。
軽自動車で鍛えたスズキの神ワザが光る。
■フルハイブリッドは廃止!
新型ソリオのエンジンは、直4、1.2Lマイルドハイブリッドと、直4、1.2L NA。先代型はフルハイブリッドも用意したが新型は廃止。
開発者は「販売比率が少なかったから」と理由を話す。
先代型のフルハイブリッドは、マイルドタイプに比べて燃費数値が15%よかったが価格も約20万円高く、価格差を燃料代の差額で取り戻すのに30万kmの走行を要した。
一方、新型のマイルドハイブリッドはWLTCモードが19.6km/Lだから、割安な価格も考えると満足できるパワートレーンだ。
■質の高い操舵感を味わえる
試乗したソリオ、ソリオバンディットともにマイルドハイブリッドモデル。2WDの車重は1000kgに収まる。
1Lのルーミーよりも約80kg軽く、ソリオは1.2Lだから加速も軽快だ。さらに、ノイズは先代型よりも小さくなっている。
プラットフォームやサスペンションの基本的な作りは先代型と共通だが、新型では構造用接着剤を使用し、緻密に作り込んだ。それは操舵した時の反応が正確になり、操舵感の質の高まりでわかった。
そしてソリオの走りの特徴は、背の高いモデルなのに峠道などでは車両の向きを変えやすいことだ。
安定性を重視した結果、穏やかに向きを変えて曲がりにくく感じるコンパクトも多いが、ソリオは印象が違う。この操舵感には、スイフトなどに通じるスズキの持ち味も感じてしまう。
その代わり危険を避ける時など、ボディが唐突に傾くような姿勢になりやすい。曲がることを諦めないのはいいが、その後の挙動はもう少し安定させたい。
全幅は先代型に比べて20mm広がったが、ドアミラーの外側で測ると先代型とほぼ同じ。狭い道でも運転もしやすいソリオらしさは堅持。
「小さくても広い」。新型はそれに磨きをかけている。
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ソリオ、チェックの鬼から◎印をもらったようですね!
●ソリオ HYBRID MZ(FF)主要諸元
・全長:3790mm
・全幅:1645mm
・全高:1745mm
・ホイールベース:2480mm
・最小回転半径:4.8m
・車両重量:1000kg
・パワーユニット:1.2L 直4DOHC+モーター
・エンジン出力:91ps/12.0kgm
・モーター出力:3.1ps/5.1kgm
・トランスミッション:CVT
・WLTCモード燃費:19.6km/L
・価格:202万2900円
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