新しさを体現するハイテクなインテリア
従来型もデジタル機能の採用で新しさに溢れていたインテリアだが、新型では更なる革新的な進化を遂げている。フードレスデザインのメーターパネルは、再びインフォテイメントシステムと分離され、独立式に。
そのメーターパネルには、必要な情報を直感的に理解できる「3Dコクピットディスプレイ」を採用。さらにヘッドアップディスプレイに表示可能なAR(拡張現実)機能を備えた「ARナビゲーションシステム」も用意する。
インフォテイメントシステム自体も大きく進化しており、タッチスクリーンが、オンダッシュからダッシュボート中央とセンターアームレストを結ぶフローティング構造に変更。
そのスクリーンには、縦長の12.8インチ有機ELメディアディスプレイを採用し、車載機能の多くがタッチスクリーン上で操作可能とし、メカニカルスイッチを大きく削減させた。
その結果、プレーンとなったコクピット周りのデザインは、ウッドパネルによる曲線美が強調され、まるで高級クルーザーのようだ。
ショーファードリブンらしい安全機能も
安全面では、今や必須アイテムへと成長している先進の安全運転支援システムのアップデートを行い、機能の追加や扱いやすさの向上、機能の対応速度の拡大などの全面的な進化を図った。
例えば、側後方からの接近車両を検知警告する「アクティブブラインドスポットアシスト」には、停車時に後方からの接近車両を検知し、乗員に知らせる機能も追加されている。
ショーファードリブンらしい新たな安全機能として、後席左右の後席用SRSエアバックシステムも採用。このエアバックで、乗員の頭部や首への負荷を最大30%も抑えることが出来るという。
後席左右のエアバック搭載は、メルセデス初に加え、世界初の機能となる。また快適面では、ボディ内部の静粛性対策を加えたことで、走行中の音の侵入も、かなり抑えられたという。
直6が主役となるパワーユニット
導入初期モデルは、パワーユニットを3.0Lの直列6気筒ターボに一本化。モデルエントリーとなる「S400d」には、AdBlueを使用したクリーンディーゼルエンジンを搭載。
その実力は、最高出力330ps、最大トルク700Nmとフラッグシップサルーンに相応しいパワフルなもの。
もうひとつのグレードとなる「S 500」には、48Vマイルドハイブリッド仕様ガソリンエンジンを搭載。最高出力425ps、最大トルク520Nmを発揮し、加速時には最高出力22ps、最大トルク250Nmのモーターアシストが行われる。
トランスミッションは、いずれも9速ATとなり、4WDの「4マテック」も全車に標準化。
さらに新装備として、後輪操舵機能「リア・アクスルステアリング」も加えられ、都市部での取り回し性と高速域での走行安定性を高めている。
導入初期はシンプルな構成に
エンジンバリエーションからも分かるように、導入モデルはシンプルな構成だ。エントリーとなるクリーンディーゼル仕様の「S 400d 4マテック」、ガソリン車となる「S 500 4マテック」。
そして、いずれのロングボディ仕様となる「S 400d 4マテック ロング」と「S 500 4マテック ロング」の4タイプを設定する。
新ボディのサイズは、全長5180×全幅1920×全高1505mm、ホイールベース3105mmのゆとりある標準タイプに加え、後席スペースを拡大を図ったロングタイプを用意。
こちらは、全長5290×全幅1920×全高1505mm、ホイールベース3215mmとさらに巨大だ。
導入記念モデルとなる「ファーストエディション」は、「S 500 4マテック ロング」がベース。標準デザインとスポーティなテイストの「AMGライン」の選択が可能で、基本的な装備内容は共通だ。
特別標準装備として、リアエンターテイメントシステムや後席左右の後席SRSエアバック、助手席側のエグゼクティブリヤシートなどを備える「リヤコンフォートパッケージ」を始め、専用アルミホイールなどのアップデートが加えられている。
オーナードライバーも多いSクラスではあるが、限定車では、後席利用の多いオーナーやビジネスカーのニーズを狙った仕様となっている。
現時点では、滑らかな回転フィールと高性能を両立した直6主体のシンプルなモデルラインとなっている日本仕様だが、将来的には、メルセデス・マイバッハやメルセデス・AMGも将来的には追加されるだろう。
こだわり派ユーザーは、好みの仕様の登場を待ちわびるだろうが、ロングボディの設定や性能、装備面を鑑みれば、ほとんどのユーザーのニーズカバーできる万能なモデルが用意されたといえそうだ。
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