■CX-30やキックスと比べてどうだ⁉
ヴェゼルよりもちょっと大きなCX-30は全体的に落ち着いた乗り味で、軽快感あふれるヴェゼルとは対照的。
操舵感や路面のギャップを越えた際の動きも同様で、CX-30のほうがドシッとした印象。ヴェゼルは軽やかな身のこなしといった動きをする。
後席はシート自体の大きさやクッション性はCX-30が一歩リードするが、ニースペースはヴェゼルの勝ち。またフラットに畳める後席など荷室の使い勝手はヴェゼルが圧倒的に優れる。
逆にひと回り小さいキックス。こちらはe-POWERだから、モーターで走る感覚はe:HEVのヴェゼルに近いのだが、動力性能はヴェゼルが勝る。
加速時のエンジン音も3気筒のキックスに対し直4、1.5Lのヴェゼルのほうが上質だ。
キックスの乗り心地は車格のわりにしっとりとしていて、軽快なヴェゼルと対照的。ただ、高速でのレーンチェンジなどではリアの追従性の遅れを感じ、ヴェゼルのほうがバランスがいい。
後席はクッションが厚く座り心地はいいが、やはり車体サイズが小さい分、ニースペースはヒザが前席に軽く当たるなど、居住性はヴェゼルにはかなわないが頭上スペースはヴェゼルより余裕がある。
■価格的にもガチライバル! プジョー2008
ヴェゼルのPLaYはFFのみの設定で329万8900円。コネクトサービスなどが標準装備ということで少々お高いのだが、価格的にはプジョー2008がガチンコライバルとして浮上する。
今回比較したアリュールの価格は303万5000円、フロント&サイドソナーやシートヒーターなどが備わる「GT」が342万7000円だ。
直3、1.2Lターボは1500~2000rpmあたりでブルブルブルと3気筒らしい振動をステアリングに伝えるが、そんなに不快なものではない。
23.4kgmの最大トルクを1750rpmで発揮するので、普通に巡航状態からアクセルを踏めばグイっと反応する。ヴェゼルのモーター駆動のレスポンスにはかなわないが、こちらも悪くはない。
なによりも“すうぅー”としなやかに伸びる足の動きが心地いいのだ。
軽快な動きのヴェゼルが“タタン!”と走り抜けていくような路面のうねりを、2008は“すわー”っといなしていく。この感覚はいかにもフランス車的。
ドラポジやメーターレイアウトなど、「かなり」個性が強いけど、それが魅力ともいえるのがプジョーの強みだ。
■“格上”のハリアーにあえて挑んだら!?
インテリアの質感や後席の居住性など、車格差、価格差なりのアドバンテージは当然ハリアーにある。ガソリンエンジンのFF同士で比較したら価格差は約120万円。
でも、この価格差を考えると新型ヴェゼルはけっしてハリアーに負けてはいないと思うのだ。
例えばスイッチ類の操作感や操舵時のスムーズ感など、ドライバーが「感じる」部分の質感が高いのだ。シート表皮やドアトリム表皮の手触り感も上質。
ハリアーに勝っているのかと言えば、もちろんそんなことはないけれど、120万円の価格差ほどの圧倒的な差を感じるものではない。
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