北米でインフィニティQX60発表! 次期スカイラインセダンはこのSUVになるのか?

■かつて日本でもスカイラインクロスオーバーとして販売されていたインフィニティQX50

2018年登場のインフィニティQX50。2021年モデルはレーダーとカメラによる高速道路上のハンドル支援を実現するプロパイロットアシストを廉価グレード以外に標準装備
2018年登場のインフィニティQX50。2021年モデルはレーダーとカメラによる高速道路上のハンドル支援を実現するプロパイロットアシストを廉価グレード以外に標準装備
インフィニティ独自の流れるようなボディラインと筋肉質なプロポーションが特徴。サイズは全長4699mm×全幅1900mm×全高1671mm。QX60よりも一回り小さい
インフィニティ独自の流れるようなボディラインと筋肉質なプロポーションが特徴。サイズは全長4699mm×全幅1900mm×全高1671mm。QX60よりも一回り小さい
2009年発売のスカイラインクロスオーバー。北米で販売されていたインフィニティEX35の日本仕様車として登場した
2009年発売のスカイラインクロスオーバー。北米で販売されていたインフィニティEX35の日本仕様車として登場した

 ミドルプレミアムSUVとなるQX50は日本でもスカイラインクロスオーバーの車名で販売されたインフィニティEX→QX50の2代目モデルで、2018年に登場した。

 2代目QX50はスカイラインベースということでFRだった初代モデルから、QX60同様にエンジン横置きのFFベースに移行している。

 全長4699mm×全高1900mm×全高1671mmというボディサイズはレクサスでいえばNXに近く、パワートレーンは可変圧縮エンジンとなる2リッターのVCターボ(スペックはNAの3.5リッターV6NAに匹敵する268ps&38.7kgm)+CVTのみで、FFと4WDを設定する。

 インテリアはスカイラインにも通じる、操作系も含めると二段式のモニターを持つのに加え、Pレンジはボタンとなるシフトバイワイヤとなっている。

 さらに意外にも最上級グレードとなるオートグラフはステアリングとタイヤが機械的にではなく電気的に接続されるステアバイワイヤを採用し、3万8050ドル(約419万円)から5万6950ドル(約627万円)だ。

 また、QX50にはベンツGLCとGLCクーペと同様の関係となる、スペシャリティなクーペルックにより、一層プレミアムな存在となるQX55も今年春から加わっている。

 全長4732mm×全幅1900mm×全高1620mmというボディサイズを持つQX55は流麗なエクステリアに加え、インテリアは形状こそQX50とそれほど変わらない。しかし、レッドのインテリアカラーを設定するなど、コンセプトを反映しQX50より全体的に遊びの要素も備えた印象だ。

 パワートレーンはQX50同様の2リッターのVCターボ+CVTの4WDのみの設定で、価格は4万6500ドル(約512万円)から5万7050ドル(628万円)だ。

■QX50、QX55、QX60の日本導入の可能性は?

1957年のプリンススカイライン登場から60年以上にわたって受け継がれてきたスカイラインだが、今後の運命はどうなる?
1957年のプリンススカイライン登場から60年以上にわたって受け継がれてきたスカイラインだが、今後の運命はどうなる?

 スカイラインがもしFFベースのSUVになったら、それに対する抵抗は非常に大きなものとなるだろう。しかし、スカイラインと双璧をなす伝統ある日本車であるクラウンに「ハリアーをベースとしたSUVが加わる、次期型でセダンはなくなりSUVになる」という噂が流れる時代なのを考えると、QX50、QX55、QX60が日本に導入され、スカイラインがクラウンの噂と同じようになっても不思議はないようにも感じる。

 特にQX50とQX55はVCターボエンジンやステアバイワイヤといった先進技術の採用などにより、見方によってはスカイラインに通じるところもあるとも言えなくはない。だが、その可能性は短期的には低いと思う。

 というのも、この3台の生産はQX50とQX55がメキシコ、QX60はアメリカと中国なのに加え、インフィニティはイギリスを含めたヨーロッパやオセアニアからは撤退しており、この3台が右ハンドル仕様を想定している可能性は低いように感じる。

 もちろん、やってできないことではない可能性も十分あるにせよ、日本で期待できる販売台数を考えると「費用対効果が薄い」という結論になるのではないだろうか。

 しかし、日経新聞の「スカイラインを含む日本向けセダンの開発中止」という報道と、星野副社長の「日産はスカイラインを諦めない」発言を総合すると、「スカイラインの将来の姿がセダンとは限らない」とも解釈できるのも事実だ。

 ということを考えると、クラウンの動向を見るなどしながら、将来的にはスカイラインの姿がSUVに変わり、それは「3台のいずれかの日本仕様」ということもない話ではないのかもしれない。

 そうなった際には、形に限らずスカイラインの名前が残ることを歓迎する人もいるだろう。だがその半面で、スカイラインの本流がスポーツセダン、2ドアクーペである点や、スカイラインの需要減少も考慮すると、「そこまでしてスカイラインの名前を残すこともないのでは」と考える人も相当数いると思われるだけに、大論争が起きるに違ない。

星野朝子副社長はノートオーラ発表会の檀上、「日産はけっしてスカイラインを諦めません」と発言。スカイラインの去就は大きな関心を集める
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【画像ギャラリー】日本未発売の新型インフィニティQX60とQX50を徹底解剖!!

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