先代のサイズをほぼ踏襲し、オフロードの扱いやすさを優先
新型ランクルは、4950×1980×1925(全長×全幅×全高)mm、ホイールベースは2850mm。先代ランクルと比べると、ホイールベースや全長、全幅は変えずに(グレードによっては35mm伸びた)、全高を55mm上げてきた。これは、アプローチアングルやデパーチャーアングルを先代から変えずに、オフロードでの扱いやすさを考慮した結果だそうだ。
全体的なプロポーションも、歴代ランクルの特徴を継承し、キャビンをやや後ろ寄りに配置する、キャビンバックワードプロポーションとしている。また、ラジエーターグリルは高い位置へと移動し、前後バンパーの下部も、障害物との干渉を避けるデザインとした。
ちなみに、エンジンフード上面に大きなへこみが付いているのは、衝突安全性と前方視界を両立させるためだそうだ。いかにもホイールストロークが大きくなったように見える、マッシブな前後フェンダーや、迫力のましたフロントグリルなど、正常進化した様子がうかがえる。
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清潔感の高さを感じるインテリア
これまでも落ち着きのある豪華なインテリアであったランクルだが、新型ではさらに整理整頓がなされて、北欧車のようなセンスの良さを感じられるインテリアへと進化した。
欧州メーカーを中心に流行しているデジタルメーターではなく、オーソドックスな6針式のメーターとしているのは、過酷な路面状況下でも、車両状況がすぐに把握できるよう、スピード、エンジン回転、燃料、水温、油圧、電圧が直感的に視認するためだそうだ。
さらに目を惹くのが、センターコンソール最上段にレイアウトされた12.3インチのワイドタッチディスプレイだ(GXを除く全車にオプション)。ナビやオーディオはもちろん、オフロード機能も高精細に映し出す。傾斜計、デフロックのオンオフ状況、アクセルとブレーキワークなどを表示することで、車両状態を直感的に把握するのに役立つ。
「最先端のデジタルインテリア」という方向では、メルセデスやBMW、ポルシェなど、ライバルメーカーの大型SUVの方が優れているが、あえて派手さを狙わずに、清潔感の高さを感じるのは、新型ランクルの方ではないか、と筆者は感じる。
ダウンサイジング&ターボ化で、出力と燃費を同時に改善!!
パワートレインは3.5LのV6ツインターボ ガソリンエンジン(最高出力415ps/最大トルク650Nm)と、3.3LのV6ツインターボ ディーゼルエンジン(309ps/700Nm)だ。どちらにも、Direct Shift 10ATを組み合わせる。
3.5L V6ツインターボ ガソリンエンジンは、マルチホール直噴インジェクタ付きD-4STを採用し、ロングストローク化とバルブ挟角の最適配置による高速燃焼と高効率ターボが、力強い低速トルクと、優れた加給レスポンスを生み出す。
3.3L V6ツインターボ ディーゼルエンジンは、ピストン燃焼室、吸気ポート、インジェクタといったエンジン各部の構造を最適化しており、ディーゼルらしいパワフルな走りを実現する。なお新採用の可変ノズル付2ウェイツインターボは、走行速度に応じて、シングルターボとツインターボを切り替え、最適な加速を引き出す。
ちなみに、先代の4.6L V8エンジンのスペックは318ps/460Nmなので、新型では、大幅なパワーアップを果たしていることになる。
なおWLTCモード燃費は、ガソリン(ZX)が7.9km/L(市街地5.3、郊外8.2、高速9.6)、ディーゼルモデルは9.7km/L(市街地7.2、郊外9.7、高速11.3)だ。先代(ZX)は6.7km/L(4.5、6.9、8.2)であったので、燃費も約17%改善したことになる。
CO2排出量(WLTCモード)は、336~347g/kmから267~294g/kmへ、14~30%ほど改善しているが、95g/kmという目標からは遠く離れており、高CO2排出車であることは知っておかねばならない。
そこで、ランクルにも電動化の可能性はないのか、と尋ねたところ、
「トヨタとしても、ランクルとはいえカーボンニュートラルは避けては通れません。ただ現時点、新型ランクルに適した電動化技術がありませんでした。逆を言えば、ランクルに見合う電動化技術が用意できるようになれば、電動化は当然、検討範囲に入ります(チーフエンジニア)」とのこと。
300系ランクルのライフ途中での追加があるか、楽しみなところだ。
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