トヨタ初の指紋認証スタートスイッチを搭載
また、盗難対策として新たに導入した、トヨタ初となる指紋認証スタートスイッチも注目すべきトピックだ。スタートスイッチの中央に指紋センサーを搭載しており、スマートキーを携帯した状態で、ブレーキを踏みながら指紋センサーにタッチすると、登録された指紋情報と照合される。
登録済みの指紋情報と一致しなければ、エンジンが始動しない機構となっている(ZX、GR SPORT、VX、AX標準装備、GXにオプション)。登録可能人数は最大7名。そのうち3名は指2本を登録できるそうだ。
ただ、万が一、災害などでクルマを置き去りにする必要が出た場合、一度エンジンを切ってしまうと、第三者(JAFや救急隊員、自衛隊など)はエンジンをかけられない。また、出先で(登録した)指を怪我して指先が使えない場合も同様だという。この点は、トヨタとして、今後何らかの対策検討を行うかもしれないとのことだった。
「どこまでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」であり続けるために
日本に住んでいれば、クルマで移動していて命の危機を感じることは、まずないだろう。
だが世界では、砂漠地帯やジャングル、ぬかるんだ山道、岩肌が出たラフロードなど、普通車では走破できないような道はまだまだある。ランクルのキャッチコピー、「どこまでも行き、生きて帰ってこられるクルマ」は、生活をするうえでクルマを必要とする顧客との「約束」だ(もし嘘だったら命の危険すらあるかもしれないのだから)。
遠く離れた街まで生きるために必要な買い物にいくため、患者を数百キロ先の病院へと安全に移送するため、この手のクルマは絶対に必要だ。前述したように、数が売れるのは、中近東の富豪たちであるが、ランクルは、20年後に現役で走り続けられる耐久性と信頼性は持っていなければならないのだ。
車両価格はガソリン車が510万~770万円、ディーゼル車は760万~800万円だ。日本では、投資対象としても有名なクルマだが、本来のランクルは、ヘビーデューティな使い方に耐えられるクロカン車だ。今回の新型も、先代と同様に、長くつくり続けられることになるだろう。
その間、待ってはくれないカーボンニュートラルの要望に、ランクルがいつのタイミングで舵を切るのか。いよいよ発売開始となった300系ランドクルーザー、今後の動向からは目が離せない。
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