IMU制御のABSに最新の足まわりで走りも十分楽しめそう
オリジナルでは50ccや70ccだったダックスが125ccになって何が大きく違うかというと、エンジンと同等以上にシャーシの装備が大きい。
新型ダックス125は、フロントに径31mmの倒立フォークや前後ディスクブレーキを装備している。フロントディスクは径220mm+2ポットキャリパーで十分な制動力を確保しつつ、ABSで安全性を現代の基準に適合させている。
ABSはフロントのみ作動するタイプで、ショートホイールベースの小型車でも正確に作動するようにIMU(姿勢角センサー)を活用した制御となっている。
ホイールは前後12インチのキャスト製にオンロードタイヤを装着する。ホイールやタイヤサイズは同系エンジン搭載のスポーツ仕様・グロムと同じで、レースにも対応するハイグリップタイヤに履き替えることも可能だ。一方で、リアサスペンションはオーソドックスな2本ショックとしている。
フロントサスの可動域は100mm、リアは同120mmと十分なストローク量を確保する。フロントはモンキー125と同じとなるが、リアはスイングアームが長いためか102mmのモンキーよりも18mmストローク量が多くなっている。その分、乗り心地の向上が期待できそうだ。
シート高は775mmでモンキー125の776mmと同等。筆者のモンキー125での経験を踏まえると、身長170cm/体重65kgは両足かかとまで接地するシート高だろう。
ダックス125は、”大型犬”化することで実用性を高めることに成功
モンキーやダックスは、1960年代末~1970年代に「レジャーバイク」を提唱し、日本では高度成長を果たしレジャーが叫ばれていた時代に考えられたコンセプトだ。モビリティは二輪から四輪へシフトし、車に積んで旅先で楽しめるようにコンパクトに設計されていた。
それでもダックスは、特に海外で大人が楽しむ事を視野に入れモンキーよりも大きめのサイズに設定されたが、着脱可能なフロントまわりなど現代の基準からすると適合しない部分もあったと思われる。
復活にあたっては、モンキー125と同様にダックス125は車載する機能を捨ててバイクとしての実用性を高めることを狙った車体構成になっているのが見て取れる。排気量やホイールサイズも拡大され、快適な走りが得られるだろう。
特にオリジナルダックスは、1969年のデビューから2003年の生産終了時までタンク容量が2.5Lのままで、初代Z50Mの2.5Lから生産終了時には4.3Lまで容量を増やしたモンキーと比べると、特殊なフレーム構造からタンク容量が増やせないという課題があった。
生まれ変わったダックス125は、最大の個性であるT字型フレーム自体を”大型犬”化することで胃袋を拡大し、悲願だったツーリングにも行けるほどの実用性を獲得したのだ。
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