おかえりダックス125!! 発売は7月以降!? 航続距離242kmで爆売れなるか

IMU制御のABSに最新の足まわりで走りも十分楽しめそう

 オリジナルでは50ccや70ccだったダックスが125ccになって何が大きく違うかというと、エンジンと同等以上にシャーシの装備が大きい。

 新型ダックス125は、フロントに径31mmの倒立フォークや前後ディスクブレーキを装備している。フロントディスクは径220mm+2ポットキャリパーで十分な制動力を確保しつつ、ABSで安全性を現代の基準に適合させている。

 ABSはフロントのみ作動するタイプで、ショートホイールベースの小型車でも正確に作動するようにIMU(姿勢角センサー)を活用した制御となっている。

 ホイールは前後12インチのキャスト製にオンロードタイヤを装着する。ホイールやタイヤサイズは同系エンジン搭載のスポーツ仕様・グロムと同じで、レースにも対応するハイグリップタイヤに履き替えることも可能だ。一方で、リアサスペンションはオーソドックスな2本ショックとしている。

 フロントサスの可動域は100mm、リアは同120mmと十分なストローク量を確保する。フロントはモンキー125と同じとなるが、リアはスイングアームが長いためか102mmのモンキーよりも18mmストローク量が多くなっている。その分、乗り心地の向上が期待できそうだ。

 シート高は775mmでモンキー125の776mmと同等。筆者のモンキー125での経験を踏まえると、身長170cm/体重65kgは両足かかとまで接地するシート高だろう。

欧州ではST125ダックスというネーミングで発表された。ただし英国ではダックス125と表記しており地域差があるようだ
欧州ではST125ダックスというネーミングで発表された。ただし英国ではダックス125と表記しており地域差があるようだ
正式にT字型鋼板プレス製と発表されたフレーム。ここが長く伸びた見た目になっていることからダックスと命名された、ダックスで最も重要な部分でオリジナルでは燃料タンクが内蔵されていた
正式にT字型鋼板プレス製と発表されたフレーム。ここが長く伸びた見た目になっていることからダックスと命名された、ダックスで最も重要な部分でオリジナルでは燃料タンクが内蔵されていた
サイドカバー後方には、シートの開閉に使うキーシリンダーを設置。これの中身は不明だが、モンキー125の例では車載工具スペースになっていた部分だ
サイドカバー後方には、シートの開閉に使うキーシリンダーを設置。これの中身は不明だが、モンキー125の例では車載工具スペースになっていた部分だ
メーターは黒バックの丸型液晶モニターを採用。燃料計や速度計など最低限の情報を表示する。モンキー125と共通パーツと思われる
メーターは黒バックの丸型液晶モニターを採用。燃料計や速度計など最低限の情報を表示する。モンキー125と共通パーツと思われる
ヘッドライトはLEDでモンキー125と同一。外周にライン発光のLEDポジション灯を配置している。ハンドルはアップタイプで快適なポジションとなる
ヘッドライトはLEDでモンキー125と同一。外周にライン発光のLEDポジション灯を配置している。ハンドルはアップタイプで快適なポジションとなる
テールランプやウインカーは丸型。これもモンキー125と同じ装備で、ヘッドライト含めて全てLED化されている
テールランプやウインカーは丸型。これもモンキー125と同じ装備で、ヘッドライト含めて全てLED化されている
アップタイプのマフラーを採用。メーターなどと同じ丸型で抜かれたヒートガードは1970年代のオリジナルダックスのデザインを継承。熱対策も十分施されているようだ
アップタイプのマフラーを採用。メーターなどと同じ丸型で抜かれたヒートガードは1970年代のオリジナルダックスのデザインを継承。熱対策も十分施されているようだ
フロントは径220mmディスクブレーキ+2ポットキャリパー。12インチタイヤはIRCのNR77を装着している。IMUは姿勢の変化が大きい小型車でABSを制御させるのに必要となる
フロントは径220mmディスクブレーキ+2ポットキャリパー。12インチタイヤはIRCのNR77を装着している。IMUは姿勢の変化が大きい小型車でABSを制御させるのに必要となる
リアは径190mmのディスクブレーキを採用。スイングアームは角を落としたモンキーと異なり、角パイプ材を採用する。ホイールベースもモンキー125より55mm長い
リアは径190mmのディスクブレーキを採用。スイングアームは角を落としたモンキーと異なり、角パイプ材を採用する。ホイールベースもモンキー125より55mm長い
ホンダの配布写真に含まれていたポジション写真。大人の男性が跨っても窮屈さはない
ホンダの配布写真に含まれていたポジション写真。大人の男性が跨っても窮屈さはない

ダックス125は、”大型犬”化することで実用性を高めることに成功

 モンキーやダックスは、1960年代末~1970年代に「レジャーバイク」を提唱し、日本では高度成長を果たしレジャーが叫ばれていた時代に考えられたコンセプトだ。モビリティは二輪から四輪へシフトし、車に積んで旅先で楽しめるようにコンパクトに設計されていた。

 それでもダックスは、特に海外で大人が楽しむ事を視野に入れモンキーよりも大きめのサイズに設定されたが、着脱可能なフロントまわりなど現代の基準からすると適合しない部分もあったと思われる。

 復活にあたっては、モンキー125と同様にダックス125は車載する機能を捨ててバイクとしての実用性を高めることを狙った車体構成になっているのが見て取れる。排気量やホイールサイズも拡大され、快適な走りが得られるだろう。

 特にオリジナルダックスは、1969年のデビューから2003年の生産終了時までタンク容量が2.5Lのままで、初代Z50Mの2.5Lから生産終了時には4.3Lまで容量を増やしたモンキーと比べると、特殊なフレーム構造からタンク容量が増やせないという課題があった。

 生まれ変わったダックス125は、最大の個性であるT字型フレーム自体を”大型犬”化することで胃袋を拡大し、悲願だったツーリングにも行けるほどの実用性を獲得したのだ。

1969年のダックスのカタログ。ダックスはモンキーほど小さくないのでフロントまわりを外して車載する方式を採用。横に置いても漏れない燃料タンクをフレームに内蔵している
1969年のダックスのカタログ。ダックスはモンキーほど小さくないのでフロントまわりを外して車載する方式を採用。横に置いても漏れない燃料タンクをフレームに内蔵している
1967年のモンキーZ50M。シートやハンドルを折りたためるようにして車載に対応。本来の狙いとは別に、このミニマムさが”盆栽バイク”としてのマニアックな人気に結びついた
1967年のモンキーZ50M。シートやハンドルを折りたためるようにして車載に対応。本来の狙いとは別に、このミニマムさが”盆栽バイク”としてのマニアックな人気に結びついた
モンキー125[HONDA] 2018年に”デカ猿”と話題になったモンキー125。台形シルエットにこだわり、大きくなってもモンキーらしいスタイルは健在。その代わり二人乗りはできない。44万円
モンキー125[HONDA] 2018年に”デカ猿”と話題になったモンキー125。台形シルエットにこだわり、大きくなってもモンキーらしいスタイルは健在。その代わり二人乗りはできない。44万円

次ページは : 2022年型ST125ダックス欧州仕様主要諸元

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