■N-VANのお買い得グレード&N-BOXとどっちが買い? 渡辺陽一郎
一般ユーザーが購入するなら、グレードは「+スタイル ファン」か、そのターボを推奨する。スマートキーやフォグライトが備わり、内外装も上質だ。
同価格で「+スタイル クール」も選べるが、テールゲートスポイラーが備わるかわりにフルLEDヘッドライトが付かない。棚を吊る時などに便利な荷室のユーティリティナットは、2個減って26個になる。ロールーフボディだから全高が95㎜、荷室高は105㎜下がる。
次に標準ボディの「L」と、「+スタイル ファン」を比べると、後者に加わる装備は18万円相当だが、価格は21万9240円も高い。つまり割安なのは標準ボディだ。が、プライベートで使うには後席のヘッドレストも付かず、内外装も貧弱なので推奨しない。
登坂路の多い地域ではターボも検討したい。
最大トルクはNAの1.6倍でパワー不足が解消され、燃費はCVT仕様なら0.2㎞/Lしか悪化しない。N-VANのターボは10万8000円高く、N-BOXで装備差を補正して算出した場合の、ターボ換算額(5万~8万円)を上回るが、選ぶ価値はある。
なおN-VANは、装備が全般的に乏しい。サイド&カーテンエアバッグ、スライドドアの電動機能などは装着できない。そしてN-VAN+ススタイル ファンの装備は、N-BOXでは価格が最も安い「Gホンダセンシング」と同等だ。
そうなるとN-VANの価格はN-BOXに比べて約18万円高いといえる。
左側ドアの開口幅がワイドな専用ボディ、助手席を畳めるシートアレンジの違いを考慮しても、N-VANはN-BOXに比べて10万円ほど割高といえる。
いっぽう、税金はN-VANが安い。
軽商用車はエコカー減税の基準が異なり、2WDのNAエンジンは購入時の税金が免税だ。N-BOXの税額はGホンダセンシングで、購入時の自動車取得税と重量税の合計が1万7500円になる。購入後の軽自動車税も異なり、乗用車は年額1万800円だが、商用車は5000円で済む。
そのかわり軽商用車は初回車検を2年後に受ける(乗用車は3年後)。任意保険料は昔ほど不利ではないが、今でも軽乗用車よりは若干割高になる。つまりN-BOXと比べると一長一短ということだ。使い方に合わせて選べばいい。
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