マツダの新型CX-6の予約受注が6月24日から開始される。発売は9月、PHEVは12月を予定している。
今回CX-60の市販型が初披露され、搭載エンジンやグレード展開および価格が発表され、実車を撮影してきた。はたして新型CX-60はどんなSUVに仕上がっているのか、モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏がじっくり解説!
文/渡辺陽一郎
写真/佐藤正勝、マツダ
■なんといってもCX-60最大のウリはFR駆動プラットフォーム+縦置き直6ディーゼル!
マツダの新型SUV、CX-60が2022年6月24日から予約受注を開始する。ただしCX-60の場合、2022年3月には欧州仕様、4月には日本仕様が公開され、販売店では4月下旬から価格を明示して先行的な受注を開始していた。実質的には既に販売されていたが、6月24日以降は、メーカーのホームページなどにも価格が表示されている。
販売店にCX-60の納期を尋ねると、以下のように返答された。
「4月から受注を開始しているため、相応に注文が入っている。6月下旬に契約された場合、納車されるのは、生産開始が一番早いディーゼルのマイルドハイブリッドで11月だ。ベーシックなディーゼルとガソリンは12月、ガソリンのPHEV(プラグインハイブリッド)は2023年3月頃になる。試乗車は2022年10月頃に配車される」。
CX-60で最も注目される特徴は、後輪駆動をベースにした新しいプラットフォームを採用することだ。駆動方式は、後輪駆動の2WDと後輪駆動ベースの4WDを用意する。
CX-60のボディサイズは、全長が4740mm、全幅は1890mm、全高は1685mmになる。CX-5は4575mm、1845mm、1690mmだから、CX-60は165mm長く、45mm幅広い。そしてCX-60は後輪駆動だから、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)が2870mmと長く、CX-5の2700mmを170mm上まわる。
CX-60とCX-5の違いは、ボディを横方向から見ると分かりやすい。CX-5はエンジンを横向きに搭載する前輪駆動だから、フロントのAピラーと前輪の間隔が近い。
マツダの「魂動デザイン」に基づいてボンネットを長く見せようとしたから、フロントオーバーハング(ボディが前輪よりも前側へ張り出した部分)が相対的に伸びている。造形的なバランスの悪化を抑えるため、ボンネットを前側へ傾斜させ、前傾姿勢の躍動感を持たせた。
その点でCX-60は後輪駆動だから、フロントピラーに対して前輪が前寄りに配置され、ボンネットは長くフロントオーバーハングは短い。前輪駆動なのに後輪駆動風に演出したCX-5よりも外観のバランスが良い。
つまりマツダの魂動デザインは、本来、最初から後輪駆動を採用すべきだった。マツダの目指す走りも、後輪駆動と親和性が高い。それが初代CX-5の登場から10年を経て投入されたCX-60で、ようやく実現したわけだ。
CX-60の外観はCX-5に比べて水平基調だから、落ち着いた雰囲気がある。運転席に座るとボンネットが良く見えて、ボディの先端位置や車幅も分かりやすい。ボディ後端のピラーは太めだが、SUVとしては後方視界も良い。
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