■「加減速によって前後荷重変化を思いどおりにコントロール可能!!」(松田秀士)
もうこのエクステリアデザインね! 昭和29年生まれのボクにとってはたまらんです!
「フェンダーミラーや昭和」のことを歌う、クレイジーケンバンドの曲があるけど、平成を飛び越して昭和のデザインを令和にアレンジしたらこうなるのね、って、スバラシイです!
まず注目したのがサスペンションフィールで、硬軟の中間よりは少し硬めだが硬いと感じないのはバンプ側にもリバンプ側にも最低必要量のストロークでスムーズに動くから。
特にリアのストローク感は絶妙! アクセル、ブレーキ、加減速での前後荷重変化を思いどおりコントロールできる。
スカイライン400R譲りのV6ターボユニットは、Z用にチューンされて、低中回転域でのピックアップが鋭くトルクフィールがリッチ。
だからコーナリング中などアクセルコントロールに対して面白いように駆動輪であるリアタイヤのグリップコントロール可能。
決してスライドさせなくとも機械式LSDをアクセル操作で機能的に右足でコントロール。昭和のZにはなかったなぁ、このハンドリング。
コーナーを立ち上がって3速全開! ターボパワーでトルクが素早く立ち上がり、エンジンが唸りウェット路面でホイールスピン! この官能的感覚はEVでは無理。
そのまま7000rpmのトップエンドまで踏み切る。少し籠もったようなウォーンという排気音が最高。これ実はスピーカーからの音。V型ゆえ片バンクずつ触媒が必要で、タービンなどネガティブな音には必須装備。許すよ、作り物のエキゾーストノートでも。このパワーフィールとピックアップだもの。
●松田秀士の採点表
・ハンドリング:9点
・加速性能:8.5点
・エンジンの気持ちよさ:10点
・シフトフィール(6MT):7.5点
・シフトフィール(9AT):7.5点
・乗り心地:9.5点
・コストパフォーマンス:9.5点
(TEXT/松田秀士)
■「新型フェアレディZはノーマルで旧型のNISMO以上の性能だ!!」(橋本洋平)
旧型に1500km乗った後に新型に乗ると、直進安定性と乗り心地がかなり改善されていたこと、そして足がしなやかに動き、きちんと路面を捉えたことが衝撃的だった。こりゃ別モノだ。
プラットフォームは共通ながら、ここまで進化させるとは! ワンダリングは少なく、トラクションもシッカリ。LSDがない標準タイプでもイン側が簡単には空転しない。
トップグレードのバージョンSTでは機械式LSDのおかげでトラクションはさらに豊かだ。
路面状況を把握しやすく、おかげで知らないテストコースのワインディングでもぶっ飛ばせる。
スカイライン400Rと同じエンジンを搭載するために、かなりシャシーをやり直さなければならなかったというが、その甲斐あってこの走りなのだろう。
19インチの限界域はややピーキーなこと、そして120km/h以上になると重くなりすぎるパワステは気になったが、それ以外はおおむね納得できる仕上がり。ノーマルで旧型ニスモ以上だ。
VR30DDTTエンジンはリサーキュレーションバルブを新搭載したためか、どの領域もダイレクトに応答。豪快な速さだけじゃなく、音も含めて爽快!
アクティブサウンドコントロール搭載車は、程よい演出がさらに加わる感覚。9速ATは細かなステップでシフトを繰り返し速度を重ねて行く。たぶんMTよりも速い。
個人的な話で恐縮だが、実は乗る前にZをカタログ買いしたのだが、その賭けは間違いじゃなかった。あとは無事に来るのか? いつ納車されるのかが気がかりだ。
●橋本洋平の採点表
・ハンドリング:8点
・加速性能:7点
・エンジンの気持ちよさ:9点
・シフトフィール(6MT):7点
・シフトフィール(9AT):9点
・乗り心地:8点
・コストパフォーマンス:7点
(TEXT/橋本洋平)
●日産 フェアレディZ(バージョンST・6MT)主要諸元
・全長:4380mm
・全幅:1845mm
・全高:1315mm
・ホイールベース:2550mm
・車重:1590kg
・エンジン:3L、V6DOHCツインターボ
・最高出力:405ps/6400rpm
・最大トルク:48.4kgm/1600~5600rpm
・価格:646万2500円
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