■「タイプRイズム」をSUVに注入!?
ボクが今回ZR-Vに試乗していちばん「へぇ!」と思ったのは、いまどきのSUVとしては珍しいほどのダイナミック性能に対する熱い思いだ。
車高高めという「季語」が必要だから、SUVは操安やハンドリングではセダンに対して不利。こりゃもう物理限界なんだからしょうがない。
しかし、チーフエンジニアの小野修一LPLはそれでも走りに対する思いが捨てきれず、これが「神経に直結する爽快な走り」という表現につながる。
聞けば、小野さんはタイプR全盛の1990年代にホンダに入社した世代で、ZR-Vのプレゼンなのに当時のホンダスポーツのキレキレぶりについて語りだすともう止まらないタイプ。
時代も車種も違うけれど、まるで脳からクルマまで神経が直結していたかのような当時のタイプRの魅力を再現したい、そんな思いを熱く語るのだ。
ここに至って、「なんでSUVの試乗会を群サイでやるの?」という謎が解けたね。
知ってる人は知ってると思うけど、群サイの周回路はタイトでアップダウンも厳しく、簡単に言うとヤバいコース。
そこを猛者揃いの自動車ジャーナリストに自由に攻めさせるというこの企画自体に、造り手側としての自信がうかがえる。
■操安性はミッドサイズSUVで断トツベスト!!
行数も残り少ないから結論を言うと、ZR-VはCセグSUVのなかで操安性についてはボクの中では文句なくベスト。
とりわけ、どんな時でも上質な操舵感をキープするステアフィールのよさと、限界域近くでも安心感のあるフトコロの深いスムーズな過渡特性は、ジャンルを超えた一級品。
この優れた資質はシビックでも共通で、もっと高く評価されてしかるべきと思う。
その代償として、60km/h以下の低速域ではやや固めの乗り心地と評価されるだろうが、それがZR-Vというクルマのキャラ。
乗り心地のバランスを取るためにこの個性を殺したら、それこそ本末転倒だと思う。
バリエーションの中で、重厚で高いスタビリティを感じさせるのがe:HEVの4WD。軽快でシャシー性能のキレのよさを実感するのが1.5ターボCVT。
個人的にもっとも走りが気に入ったのが、両モデルのいいとこ取りをした感のあるe:HEVのFFモデル。
新しいホンダのZR-V、どのグレードを選んでも、それぞれ魅力のポイントが確立している点も気に入ったね。
■ホンダ ZR-V 価格&主要諸元
●ホンダ ZR-V 価格(編集部調べ)
・e:HEV X…329万8900円(FF)/351万8900円(4WD)
・e:HEV Z…389万9500円(FF)/411万9500円(4WD)
・ガソリン X…294万9100円(FF)/316万9100円(4WD)
・ガソリン Z…354万8600円(FF)/376万8600円(4WD)
●ホンダ ZR-V(e:HEV)主要諸元 *はガソリン1.5ターボ
・全長:4570mm
・全幅:1840mm
・全高:1620mm
・ホイールベース:2665mm
・最低地上高:190mm
・エンジン:直列4気筒DOHC、1993cc *直列4気筒DOHCターボ、1496cc
・最高出力:141ps(104kW)/6000rpm *178ps(131kW)/6000rpm)
・最大トルク:18.0kgm(182Nm)/4500rpm *24.5kgm(240Nm)/1700-4500rpm
・モーター出力:184ps(135kW)/5000-6000rpm *─
・モータートルク:32.1kgm(315Nm)/0-2000rpm *─
・サスペンション:ストラット/マルチリンク
・タイヤサイズ:225/55R18
※価格、車体サイズの数値は編集部調べによる
コメント
コメントの使い方価格設定頑張ったな〜!
かなり評判良さそうだね。
早く実車が見たいなぁ。