【東京モーターショーの熱気を先取り】茨城国体の「グランツーリスモSPORT」はガチのモータースポーツだった!

【東京モーターショーの熱気を先取り】茨城国体の「グランツーリスモSPORT」はガチのモータースポーツだった!

 今年の東京モーターショー(2019年10月24日(木)~11月4日(月・祝))は、ひと味違った出し物が目白押しだ。なかでも注目したいのがeスポーツイベント。期間中の10月27日(日)、お台場のMEGAWEBで、人気ソフト「グランツーリスモSPORT」を使った18歳以下の戦い「都道府県対抗U18全国選手権(以下U18選手権)」が開催される。

 本稿では、東京モーターショーに先立って開催された「グランツーリスモ」のイベント、国体でのeスポーツ選手権の様子をお届けしたい。

 そう、いまやeスポーツは国体競技なのだ!!
文:松田俊泰


■国体の成績上位者が東京モーターショーで激突する

 今回は、そのU18選手権の興奮を先取りするようなイベントを取材してきた。それこそ、10月5・6日に茨城県つくば市で開かれたいきいき茨城ゆめ国体の「全国都道府県対抗eスポーツ選手権・グランツーリスモSPORT部門(以下ゆめ国体選手権)」だ。

会場となったつくば国際会議場

 なんでこの国体イベントがU18選手権の先取りなのか。それはU18選手権の出場選手が、そろってこのゆめ国体選手権にも出場しているため(※)。東京モーターショーの盛り上がりを探るには、まさに格好の催しじゃないか!

※各都道府県から「全国都道府県対抗eスポーツ選手権」の少年の部(18歳以下)に出場した2名のうち、成績が上位だった1名(計47名)が、東京モーターショーの「都道府県対抗U18全国選手権」に出場する。

勢ぞろいした参加者たち。最年少は9歳、最年少は47歳というプレイヤーが参加した

 ゆめ国体選手権の会場となったのはつくば国際会議場大ホール。少年の部に参加したのは全国47都道府県から集まった計94名。その中にはわずか9歳という選手が2名もいたが、惜しくも5日の予選で敗退した。予選は計8レースが行われ、各レースのトップ8名が決勝に進出。そこにタイムトライアルの成績上位だった4名が敗者復活的に加わり、計12名がファイナリストとなった。

■決勝進出12選手が全員「ウラカン」を選択

 翌10月6日の決勝レースはグリッドを決めるタイムトライアルからスタート。舞台は富士スピードウェイ、使用車種はGr.3クラス(実車のFIA GT3クラスに相当)という規定なのだが、なんと全選手がランボルギーニ・ウラカン GT3を選択することに。コースとの相性を熟考するとこうした光景はしばしばみられる。ちなみに成人の部の決勝(鈴鹿サーキット)でも、12台中10台が日産GT-Rという展開だった。

 そんなタイムトライアルで首位に立ったのは、1分38秒633をたたき出した神奈川県の尾形莉欧選手。終盤、愛知の水野航希選手が1分38秒696を記録して会場を沸かせたが、わずかに届かなかった。とはいえトップとビリ(12位)の差はたったの0.893秒! さすが頂上決戦、粒のそろい方が違う!

神奈川県代表の尾形莉欧選手

 決勝は同じ富士スピードウェイを5ラップするレース。タイヤはレーシングハード、タイヤ摩耗と燃料消費は「なし」という設定だ。シグナルグリーン。フォーメーションラップの隊列が第1コーナーへなだれ込む。トップの尾形選手はアウト側からアプローチするが、そのイン側に2番手の水野選手が飛び込んだ。クリップに付けずアウト側に膨らむ尾形選手。コースサイドでタイヤを汚したためかトラクションが回復せず、あっと言う間に4位へ。トップに立ったのは水野選手、そこに福岡の龍翔太郎選手と東京の佐々木唯人選手が続く。

決勝スタート

 順位を落とした尾形選手は、この大会のオンライン予選で少年の部最速タイムを出した実力の持ち主。前走車にピタリと張り付くと、ダンロップコーナーで佐々木選手をオーバーテイクし、3位にポジションを戻した。しかし先を行く龍選手もカート経験のある強者。なかなかスキを見せない。12台のウラカンがほとんど列車のような態勢でレースが進んでいく。

白熱のレースシーン。迫力はまさにモータースポーツそのもの

 レースが動いたのは3ラップ目。2位の龍選手を射程に捉えていた尾形選手がダンロップコーナーでショートカットを犯し、痛恨のペナルティ。4ラップ目に入るホームストレートで0.5秒間エンジンパワーを失い、後続車に次々と抜かれる。

 これで楽になったのが龍選手。後続車から解き放たれて1位の水野選手を追い上げていく。ファイナルラップの1コーナー。龍選手が水野選手のインに飛び込み、2台横並びのままコーナーを立ち上がる。大歓声に包まれる会場。しかしコカ・コーラコーナーへの飛び込みで水野選手が再び前に。コース幅を有効に使って龍選手を巧妙に抑え込んでいく。

福岡県代表の龍翔太郎選手

 龍選手はダンロップでも追い抜くチャンスを見いだせず、そのまま最終コーナーへ。水野選手はこの時初めて「勝てるかも」と思ったという。追いすがる龍選手とわずか0.364秒というタイム差でフィニッシュ。国体の歴史に残るeスポーツ初の勝者が決まった瞬間だった。

愛知県代表の水野航希選手
繊細なペダルワークのため素足のプレイヤーも
ゴールの瞬間
レース後、握手を交わす水野選手と龍選手

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