近年、“復刻”が高級ブランドのトレンドのような状況になっている。
今年、2019年3月にはアストンマーチンが1960年代DB4 GTザガートを復刻して来年販売予定のニューモデルとペア販売することを発表していたが、9月8日、今度は今年創業100年を迎えるベントレーが、1929年製「Teamブロワー」を12台限定で復活させると発表したのだ。
そこで、本稿では2021年にも完成し、現代に蘇るという名車の復刻版を紹介したい。
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※本稿は2019年10月のものです
文:ベストカー編集部/写真:Bentley Motors、ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2019年11月10日号
■歴史に革命をもたらした1台を忠実に再現! 完成は2021年
Teamブロワーはティム・バーキン卿の依頼によって1929年に4台かぎり製造されたレーシングカー。4 1/2リッターと呼ばれるエンジンにスーパーチャージャーを搭載し、ル・マンやフランスグランプリなどで活躍したベントレー史上最もエポックメイキングな1台だ。
ベントレーの名車復刻プロジェクトとしては今年、創立100周年の一環として、1939年に試作されたベントレーコーニッシュを復元させたが、戦前のレーシングカーを再現したモデルを発売するのは初めてだという。
製造は、ベントレーの注文製作部門として活動しているコーチビルダー「マリナー」のスペシャリストたちで、1台1台ハンドクラフトされる。
復刻にあたっては、まず、ベントレーが所有するTeamブロワー(シャシー番号:HB3403)を分解し、各パーツを3Dスキャナーで測定してデジタルデータを作成。
最新の製造技術に加えて当時の金型や工具でパーツが製作され、これらを熟練工たちが組み立てることで新しいブロワーは生産されるという。
搭載するエンジンは、スーパーチャージャー付きの4398cc直列4気筒エンジン。スーパーチャージャーは、アムハースト・ヴィリヤース製ルーツ式MkIV型スーパーチャージャーのレプリカを採用し、最高出力240psを4200rpmで発生する。
車体構造には、プレススチールフレームをはじめ、リーフスプリング式サスペンションやダンパー、ブレーキなども再現してシャシーが完成するという。
メカニカルな部分もルックスも、そしてオリジナルが持つスピリットさえも可能なかぎり当時のモデルを忠実に再現するとのことだ。ただし、安全性のみ目立たない部分で、現代に合わせた変更が加えられるという。
復刻するブロワーは、全12台が完成するのは約2年後の予定。価格は受注開始時(未定)に決定するそうだ。
■未来のベントレーは自動運転のEV!?
戦前のレーシングカーを復活させる一方で、創業100周年を迎えたベントレーは今年夏にEVコンセプトカーの『EXP100GT』も発表している。
「2035年の高級車像」をイメージした完全自動運転を備えたスーパーEVで、4個のモーターで153kgmもの最大トルクを発揮し、1回の充電で最大700kmの航続距離を可能にする。
あくまでコンセプトカーだが、伝統も引き継ぎ、ベントレーの未来を示す1台だという。
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