■次期WRCマシンのベース車たりうるパワーユニット
エンジンはすべて直列3気筒で、1.5L、1Lのガソリンエンジンと1.5Lハイブリッドの3種類。1.5Lダイナミックフォースエンジンは、RAV4やレクサスUXに搭載されている4気筒、2LのM20A系エンジンから1気筒を省いたものだ。
80.5×97.6mmのボア×ストロークは同じで、低速トルクに有利なロングストロークエンジンとなっている。また、1Lエンジンも従来型から大きく改良されている。
トランスミッションは1Lガソリンが改良型のスーパーCVT-i、1.5Lガソリンが発進ギア付きのダイレクトシフトCVTと6速MT。
ハイブリッドはリダクション機構付きの「THSII」で、ヤリス(ヴィッツ)では初めて後輪をモーターで駆動する「E-Four」も搭載されている。
細かなスペックは未発表だが、ハイブリッドのシステム出力が15%アップしていて、動力性能を15%以上向上させながら燃費も20%以上アップ。また、EV走行での最高速は70km/hから130km/hまで向上させている。
この新しいパワーユニットはヤリスの大きな魅力だが、エンジン開発担当者いわく「意外と1Lがよくなっています。ヤリスのなかで一番軽快な走りを楽しめるエンジンかもしれません」だそうだから、そちらにも注目してみたい。
サスペンションはフロント/ストラット、リア/トーションビームで、E-Fourのリアサスは2リンクダブルウィッシュボーンとなる。
TNGAによる大幅なボディ剛性の向上で、意図したとおりにサスペンションが動くようになって走りの質感は相当上がっているようだ。
なんといっても次期WRCマシンのベースになるクルマ。トヨタラリーチームからの要望も多く採り入れているというから、土台からしっかりしたクルマになっていることは間違いないだろう。
■ヒエラルキーにとらわれず、先進技術を投入
先進安全装備も充実している。トヨタセーフティセンス(TSS)が全車標準なのはもちろん、TSS自体が進化しており、緊急自動ブレーキは夜間の歩行者と自転車にも対応。
また、コンパクトクラス初のレーントレーシングアシスト、レーダークルーズコントロールも装備するほか、オプションでペダルの踏み間違いをサポートするインテリジェントクリアランスソナーや、駐車スペースからバックで出る時に、後方接近車両を検知して自動でブレーキをかけるリアクロストラフィックオートブレーキも設定。
さらにトヨタ初の高度駐車支援システム、アドバンスドパークも新設定しており、これはメモリ機能で白線のない駐車場でも使えるというから至れり尽くせりだ。
まだまだ伝えたいことがいっぱいだが、今回はここまで。ヤリスは今年12月中旬に正式発表、来年2月中旬に発売開始となる。
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