トヨタ連合の本当の狙いとはなにか??…他 クルマ界 いま気になること 11選

■モーターショーではどこもEVをアピールしていたのに、スバルは今もボクサーエンジンがウリで大丈夫?

(説明する人/桃田健史)

 スバルとしては、EVについて「いま、自分たちが発言するタイミングではない」と考えているはずだ。

 背景にあるのが、トヨタが主導して日系自動車メーカー各社が共同で企画開発を進めているEVプラットフォームだ。スバルは軽自動車部門の廃止など、開発リソースを絞る戦略のなかで、EVはプラグインハイブリッド車など電動化技術についてはトヨタとの連携をベースとする動きに転換した。

 スバルにとって電動化は、世界市場で最も販売台数が多い北米での、カリフォルニア州を中核とするゼロ・エミッション・ヴィークル(ZEV)規制法への対応が最優先となる。そこに、ほかのメーカー同様に欧州でのCO2総量規制対応が控えている。

 こうした電動化技術をトヨタ協業で徹底することで、限られた開発リソースを当面はスバルの真骨頂であるボクサーエンジンに注ぎ、スバルというブランド価値の維持に務めることになる。

東京モーターショーでは次期レヴォーグが主役でEVはアピールしなかったスバル

■日産の新体制でルノーとの提携は強化される? それとも、その逆?

(説明する人/国沢光宏)

 日産としちゃ少しでもルノーと離れたいところ。一方、ルノーからすれば日産の技術と、日産の稼ぎがナニより重要。今や技術も収益もルノー単独だと生きていけない状況なのだった。

 当然ながらルノー側は日産をコントロールすべく全力で根回ししようとしている。そして日産はルノーの影響力をなくしたいと考えていることだろう。落としドコロは家庭内別居か。距離を置き、お互いメリットあることだけで、付き合えばよい。

 本来なら政治力あるのはルノーのほうなのだけれど、興味深いことに「お家騒動」という点で日産と同じくらいダメダメだったりして……。

 ゴーンさん抜けたら、ルノー内部とフランス政府でグダグダの足の引っ張り合いになってしまっている。日産を攻めるどころじゃない。

 ということで、日産からすれば「時間稼ぎ」になってます。この間に日産も内部紛争を終わらせ、盤石な体制を作るべきだ。ルノーの影響力低下が実現できるか?

今月12月1日付で社長兼最高経営責任者(CEO)に正式就任した日産の内田誠氏

■クルマのコネクテッド機能。どういうことができるのか? 5Gでどうなる?

(説明する人/高山正寛)

 総務省の定義でも「ICT(情報通信技術)端末としての機能を有する自動車」と記載されているが、クルマと外部が繋がることが基本的なコネクテッドの考え方だ。

 これまでも通信を活用して渋滞情報をはじめ、ニュースや天気予報などを得ることは可能だったわけだが、これからは「双方向で大容量のデータを活用する」がキーワードになってくる。

 自分の走行情報などをクラウドに集めて、そこからAIなどを活用し分析、数多くの車両に配信することで今まで以上に緻密なデータが取得できる。

 この技術自体は将来的には自動運転にも活用できるもので、その鍵を握るのが今後日本でも急速に発達するであろう次世代通信規格である「5G」だ。

 5Gはどうしてもその速度の速さだけがクローズアップされがちだが、データが遅延せず同時接続が可能な点もポイント。

 車両のほかにも乗員の生命を守るセキュリティ機能の進化もコネクテッドの大きな役割なのである。

次ページは : ■結局のところ、緊急自動ブレーキはどこの自動車会社のものがいいですか?

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

トヨタの韋駄天が覚醒する! 6代目NEWスターレットのSCOOP情報をはじめ、BC的らしく高級車を大解剖。さらに日産・ホンダの協業分析、そして日向坂46の富田鈴花さんがベストカーに登場! 新社会人もベテランビジネスマンまで、誰もが楽しめるベストカー5月10日号、好評発売中!