【本誌連載特別版】トランプ関税ショック! 日本の自動車業界は「重大危機」を乗り越えられるのか?

■国内産業構造を見直すきっかけに

日本時間4月15日、トランプ大統領から自動車関連関税の救済策も検討するとの発言も出た。しかし、その真意は不明である(画像はイメージです)
日本時間4月15日、トランプ大統領から自動車関連関税の救済策も検討するとの発言も出た。しかし、その真意は不明である(画像はイメージです)

 相互関税は米国に依存しすぎた国内産業構造を見直すきっかけとなるでしょう。しかし、自動車産業は簡単に脱米国とはなれません。

 第1に、日本の自動車産業は中国で敗走し、米国以外の地域ではインド市場を除いて中国メーカーの攻勢を受け続けています。

 第2に、米国市場は日本車にとってホームマーケットに等しい重要な市場なのです。世界の自動車メーカーには自身のホームマーケットがあり、その基盤で世界と戦っています。しかし日本車メーカーにとって日本国内市場は小さく、米国で築く競争力が世界で戦う原動力となります。

 技術を磨き、台数規模を拡大し、キャッシュフローを生み出すのは米国市場がなければ実現できません。このホームマーケットを失うことは産業の終焉を意味するのです。

 今回の危機は、プラザ合意、日米貿易摩擦、リーマンショックに次ぐ4度目の重大な経営危機に位置づけられます。過去は危機が飛躍の好機を生みました。危機はほぼすべての自動車メーカーを襲っています。日本車ならではの魅力的な価値を訴求するチャンスでもあるのです。

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