近年、欧州車を中心に世界的に増えている4ドアクーペ、SUVクーペといった新世代のクーペモデル。
ベンツやBMW、アウディなどは通常のセダンやSUVとは別に、これらのクーペタイプのラインナップを充実させているし、他メーカーも続々とクーペSUVを発表している。
まさにニュージャンルとなっている“新世界クーペ”の注目車から、残念ながらその潮流が日本には来ていない理由、その一方で世界的にはラインナップが増えている現状にまで迫る!
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※本稿は2019年12月のものです
文:清水草一、ベストカー編集部/写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年1月10日号
■CHAPTER-1 日本車から始まった! 絶版新世界クーペ傑作選
(TEXT/清水草一)
初代メルセデスCLSが登場した時、日本のクルマ好きは誰もがこう思った。「これってベンツのカリーナEDじゃん!」と。
CLSが登場したのは2005年。対するカリーナEDは1985年。そこには20年という長い年月が横たわってはいるものの、4ドアクーペというコンセプトそのものは同じ! 狙いはズバリカッコだけってのも完璧に同じ!
●トヨタ 初代カリーナED
その後欧州では続々と4ドアクーペが登場し、クーペSUVも出まくっているが、4ドアクーペの元祖は日本なんだヨ~~! ついでにクーペSUVもスズキX-90が元祖ですかね? 2ドア2シーターだったので微妙ですが。
とにかくですね、1985年に登場したカリーナEDは超絶大ヒットし、2代目、3代目と続き、兄弟車のコロナエクシブや小型版のセレス/マリノへと増殖。
マツダはペルソナ/ユーノス300で追撃し、アンフィニMS-8へと受け継がれた。日産はプレセアで、三菱もエメロードで追いかけた。
しかし結局のところ、傑作と言っていいのは初代カリーナEDだけだった! と断言したい。初代EDはなにせデザインがよかったッスから! 絞りの効いた直線基調は日本人好みのエレガンスに満ちておりましたよ!
ぶっちゃけ、初代カリーナEDはソアラの4ドアクーペ普及版みたいなもの。憧れのソアラを、皆様にも使いやすい4ドアにして、ちょい小さく、そしてお安く作りました! というもので、みごとに時代と寝ておりました。
その後のフォロワーたちは振り返る価値ナシ! あとはすべて時代のあだ花だ!
あえて言えば、ペルソナのインテリアリズムは突き抜けていたので、次点とさせていただきます。
●マツダ ペルソナ
■CHAPTER-2 新世界クーペ現行モデル、美しい度選手権BEST5
(TEXT/清水草一)
近年は4ドアクーペやクーペSUVが増えているが、今日本で買える現行型のこれらクーペのなかでも、美しいのはどれだ!? を独断で決めさせていただきます。
まず、近年欧米で流行りまくりのクーペSUVだけど、純粋なデザインの美しさという観点では、4ドアクーペに対してどうしても劣勢になる。
時代の波に乗ったイケてるイメージとか、いい生活してる雰囲気はSUVクーペのほうが上だが、速く走るうえで圧倒的に不利な形状を無理に速そうなカッコに仕立てているので、機能美を得るのはムズカシイ。
そんななかで一番美しいのは、ジャガーのEV、Iペイスじゃないか。このクルマは床下にバッテリーを敷き詰めているので、車高の高さもある意味必然。クーペSUVのフォルムに機能美が感じられるのです。これが5位ですね。
●5位 ジャガーIペイス
4位以上はすべて4ドアクーペだ。
4位はプジョー508。地味めだけどとってもシュッとスタイリッシュで、古典的にカッコイイ。中高年にはたまらん。
●4位 プジョー508
3位はアウディA5スポーツバック。アウディデザインはどれも精緻をきわめておりますが、ここ最近はスポーツバック系が一番イケてるんじゃないか。A7スポーツバックもカッコいいけど、全体のまとまりのよさでA5を選びました。
●3位 アウディA5スポーツバック
2位は、元祖(?)4ドアクーペの3代目の子孫、メルセデスCLSだ。サイド面にはほとんどラインがなく、実に雄大かつゴージャス。
特に夜、ライトの当たり具合によっては面の美しさに息を飲む。クルマの存在感としてはSクラスをも上回っている!
●2位 ベンツCLS
そして第1位は、同じメルセデスのAMG GT 4ドアクーペです。このクルマは、CLSの雄大さがさらに強調されておりますが、さらにスポーンとシンプルでスピード感のあるフォルムを持っている。しかもサイズは全長5メートル超!
このデカさでこのシンプルさ。もうそれだけで迫力がスゲエ。巨鯨そのもの。参りました。
●1位 メルセデスAMG GT 4ドア
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