グリルはフロントマスクのスタイルを決める重要なパーツである。それだけにグリルでエクステリアを差別化を図るケースも少なくない。
デザインは好みの問題だから人それぞれ感じ方は違うが、グリルがあることによって顔が引き締まった印象になったり、グリルが目立ちすぎてカッコ悪く見える場合もある。
好き嫌いがわかれるため当然ながらクルマの売れ行きを大きく左右することもある。
当記事では同じクルマのバリエーションでグリルを変えたものなど、グリルで差別化を図ったクルマたちを振り返る。
文:永田恵一/写真:NISSAN、SUBARU、NISSAN、HONDA、TOYOTA、DAIHATSU、MITSUBISHI
【画像ギャラリー】メッキグリルを装着して個性を主張したクルマたち
トヨタクラウンマジェスタ
クラウンが9代目モデルとなった1991年にクラウンファミリーに加わったマジェスタは「クラウンとセルシオの中間」というモデルだった。
そのため車格を反映し、歴代ボディサイズの拡大やV8エンジンの搭載に加え、グリルもクラウンに対しサイズが大きい、より押し出しの強いデザインとするなど、車格に相応しいものとなっていた。
しかし14代目クラウンに1年近く遅れて加わった6代目マジェスタは、5代目までのマジェスタに比べるとクラウンとの距離が近くなったせいもあるのか、グリルは内部のデザインこそ若干違うものの、枠組みの形状は14代目クラウンロイヤルと共通となった。
6代目マジェスタのグリルは販売面で不安要素にも感じたが、6代目マジェスタはパワーユニットが5代目マジェスタの4L越えのV8から3.5L、V6ハイブリッドになったこともあり、販売は盛り返した。
しかし販売が盛り返したといってもトヨタが望むレベルには及ばず、残念ながらマジェスタは6代目を最後に2018年登場の現行型15代目クラウンに吸収される形で絶版となった。
日産マーチボレロ
マーチに2代目モデルから設定されているボレロは、世代によって形状の異なるクラシカルな大きなグリル、木目調、陶器調、マーブル柄といったダッシュボードのパネル、専用のシート生地を使うなどしたカスタマイズカーである。
マーチボレロの開発、生産などは日産の子会社で「少量生産車でも日産の量産車と同じ品質を持つファクトリーカスタム」という企業コンセプトを持つオーテックジャパンが担当しているだけに、クオリティも素晴らしい。
マーチボレロはこの種のクルマとしては手頃な価格で長年設定されていることもあり、歴代マーチの販売においてもそれなりの戦力になっている。
また歴代マーチにはタンゴやルンバといった、ボレロ同様にオーテックジャパンがグリルを含めた内外装を手掛けたカスタイズカーもあった。
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