【クラウン、R32、マーチボレロ…】グリルで差別化を図ったクルマ5選

日産スカイライン(R32)

 スカイラインとしては8代目モデルとなるR32型は、販売台数としては歴代スカイラインにおいてそれほどではなかったが、コンセプトをスカイラインらしい「スポーツセダン、スポーツクーペを極める」という明確なものにしたこともあり、そのイメージは未だに高い。

グリルレスのデザインは賛否両論あったが、走行性能に優れていたことでデザインの評価も上がったR32スカイライン。2ドアのGTS-tタイプMが一番人気

 8代目スカイラインでは基準車に加え、「当時のグループAレースに勝つ」というこちらも明確な目的を持ったGT-Rもケンメリと呼ばれた4代目スカイライン以来17年振りに復活。

 フロントマスクは基準車が当時少なかったグリルレス、GT-Rは競技の際の冷却性能も考慮しグリル付とした。この差別化は基準車が斬新なスタイル、GT-Rも競技のための機能美という棲み分けにもなり好評で、8代目スカイラインの成功にも貢献。

GT-Rは冷却機能を高めるという理由でグリルが装着されたがノーマルスカイランと比べると顔が精悍になって一段とカッコいい

 グリルのあるGT-RのフロントマスクはGT-Rのアルミボンネットを流用するなどして、基準車のユーザーがカスタイマイズすることもよくあったほどの人気だった。

 なおスカイラインが基準車とGT-Rでグリルを変えるというのは、直6エンジンを搭載したスカイラインGT-Rがあった9代目のR33型、10代目のR34型まで続いた。

スバルレガシィブリッツェン

グリルで差別化するために派手なグリルを装着するのが常套手段だが、ブリッツェンはノーマルよりもシックでレーシーなグリルを装着。赤のボディカラーも大好評

 レガシィが人気車だった3代目と4代目モデルに設定されたブリッツェン(ドイツ語で稲妻が輝くという意味)は、1999年12月にセダンのB4の期間限定となる特別仕様車として歴史が始まった。

 最初のブリッツェンはターボエンジンを搭載するB4のRSKをベースに、エクステリアではオーストリアにあるポルシェデザイン社と共同開発された機能美を追求した専用の前後バンパー、フロントグリル、リアスポイラー、17インチアルミホイール、機能面ではMT車にフロントのヘリカルLSDなどを装着。

 グリルはレガシィの標準車に比べるとシンプルなデザインで、ブリッツェン専用色となるレッドのインパクトも強かった。

上下に分割されたヘッドライト+台形グリルというのがこのモデルの特徴だった。ブリッツェンと大きな差はないが、比べるとおとなしい感じがする

 個性が強いだけに好みが大きく分かれそうなブリッツェンだったが、好評だった。3代目レガシィでは後にツーリングワゴンのブリッツェンも加わり、限定的ながら毎年のよう登場。

 ブリッツェンは4代目レガシィでも3代目に近い方向性で2004年12月に登場し、2005年にも設定された。だが、2006年以降は特別感あるスバル車はSTIのコンプリートカーが受け持つ方向となったこともあるのか、ブリッツェンの市販車は2005年登場モデルが最後となった。

 市販車と書いたように、レガシィが6代目モデルとなった2015年の東京オートサロンにB4のブリッツェンが出展された。

 東京オートサロンに出展されたブリッツェンはグリルを含めそれまでのブリッツェンに近いコンセプトのエクステリアながら、5代目以降クルマ自体のコンセプトの変化もあり鈍重な感が否めなかったレガシィB4が大きくイメチェンされ、なかなかカッコよかった。

東京オートサロン2015に参考出品されたレガシィB4ブリッツェンコンセプトは結局市販されず。レーシーな雰囲気がノーマルと一線を画していた

 しかしレガシィ自体にカスタマイズに代表される趣味性が薄れたせいもあったのか、残念ながら市販化されなかった。

 ただブリッツェンも輝いていた4代目レガシィの後継車な存在でもある現行レヴォーグとWRX S4が現在モデル末期になっているのを考えると、「最後の隠し玉」などとして2台のブリッツェンを見てみたい気もする。

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