転機は3代目インプレッサ!? なぜサッシュレスやめたのか
この伝統的なスタイルをスバルは2000年代に入ると次々に廃止している。その理由を開発者に尋ねた。
「ドアの剛性を確保するためには、ドアサッシュを装着しておきたい。またドアの開口部を広げるためにも、サッシュが装着されたドアの方が有利だ。遮音性能にも違いが生じる」という。
スバルは2007年に発売された3代目インプレッサから、スポーツカーのBRZ以外では、後席の居住性や快適性を重視するようになった。そのために3代目インプレッサでは、乗降性の向上を目的に、サッシュ付きのドアに変更したことが強調されていた。
サッシュが付いていないと、高速走行時の負圧でサイドウインドウが外側へ引っ張られ、この力に対抗するためガラスを開口部に密着させる必要が生じる。この影響で開口部分の広さが制約を受けた。
サッシュ付きになれば、制約がなくなってドアの開口部分も拡大できる。このほか風切り音の低減などを含めて、合理的に車を開発するには、サッシュの備わるドアが適している。今の日本車では、クーペを除くとサッシュレスドアはほとんど見当たらない。
BMWやベンツも採用!! 4ドアクーペブームでサッシュレスドア再燃
その一方で、輸入車では最近になってサッシュレスドアが増えてきた。メルセデスベンツ CLS、BMW4シリーズグランクーペなどは、かつて日本で流行したルーフの低いピラード4ドアハードトップと同様の形状だ。
日本車が早い時期に採用しながら、今では忘れ去られたトレンドが、時間を経て欧州車を中心に再び普及を開始したケースは多い。
小排気量のターボエンジン、レーダーセンサーを使った安全装備なども、日本車が早い時点で商品化していた。
欧州メーカーは採用に慎重で、技術進歩に伴って商品化したのだろうが、日本のユーザーとしては追い越された気分になって少々残念だ。
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