マツダの5系列体制
マツダは1990年前後に、従来のマツダ店とオートラマ店(フォードブランド)に加えて、ユーノス店/アンフィニ店/オートザム店の5系列を大急ぎで用意した。これに伴って膨大な兄弟車も開発している。
例えばミドルサイズであれば、マツダクロノス/フォードテルスター/ユーノス500/アンフィニMS-8(セダン)&MS-6(5ドアハッチバック)/オートザムクレフという具合だ。
いずれの車種もユーノス、アンフィニ、オートザムといったブランド名で販売したから、マツダの車名を冠したのはクロノスなどのマツダブランドだけだ。
ユーザーはどこで売っているのかもわからない。この点をマツダの重役に尋ねると「クルマは販売系列の数に比例して売れ行きを伸ばす。だから5系列を整えた」と返答された。
マツダの国内販売は1990年に59万台に達したが、1991年には55万台、1992年には48万台、2000年には31万台まで急降下した。2019年は20万台少々だ。今は再建の途上にある。
まとめ
このほか三菱もカープラザ店を設け、ギャランの兄弟車としてエテルナを販売していた時期がある。
いわゆる兄弟車は基本的に同じクルマだから、実質的にユーザーの選択肢は増えない。
しかし今日のアルファード&ヴェルファイアのように、フロントマスクなどのデザインが別の価値を構築している車種もある。むやみに姉妹車を増やしても意味はないが、別のクルマとして成立させられる価値観を備えるなら、ユーザーにとってもメリットになる。
2020年5月以降、全国のトヨタディーラーが全店で全車を売ると、販売会社同士の競争が激しくなる。トヨタ店とトヨペット店が隣接する場所など、店舗の統合も行われるだろう。販売会社の再編も進む。
ただし統合の仕方を誤ると、サービス工場の規模まで縮小され、近隣のユーザーが車検や点検を受ける時の入庫期間が長引いたりする。
姉妹車の廃止も含めて、ユーザーの愛車選びが寂しくなったり、サービスが不便にならないようにして欲しい。
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