【リサーチが必要なのは希望小売価格も同じ!!】タイヤのオープンプライスとどう向き合うか?

オープン価格のメリット

 オープン価格をメーカーが採用した経緯を紹介しましたが、希望小売価格と実売価格の乖離することによってブランドイメージを損なうという問題が発生しました。

 メーカーが危惧したのは、ユーザーが大幅値引きをするブランド、簡単に割り引きするブランドという認識を持つことで、タイヤがオープン価格を採用した最大の理由とも言えます。

家電では一般的になっているオープン価格だが、情報収集することに慣れていない年配には特に評判がよくない

 オープン価格の採用によって、メーカーのブランドイメージを損なうことがなくなったというのがメーカーサイドの最も大きなメリットです。

 さらに、値引き競争などにより小売店の消耗戦を防ぐことができる、実売価格をある程度コントロールすることができるなども大きなメリットです。

 いっぽうユーザーサイドのメリットはどのようなものがあるのでしょうか?

 希望小売価格と実売価格が乖離していた時には、どの価格で買うのがいいのか迷う、本当に適正価格で買っているのか疑心暗鬼になることもあったと思いますが、オープン価格により、提示された価格は安心できるものとなることでしょう。

オープン価格のデメリット

 オープン価格のユーザーのデメリットは、価格がわかりにくいという点に尽きると思います。そういう意味では、オープン価格のユーザーのメリットは吹っ飛んでしまうほどです。

 あと1カ所で価格を聞いてもそれが高いのか、安いのかさえもわからず、その商品の価値も把握することは不可能です。

 今では価格ドットコムなど、実売価格を安いものから高いものまで一気に表示してくれる便利なサイトもありますが、それ以前は実際に店舗に行かないと価格がわからないというのが当たり前でした。

 電話での問い合わせに応じてくれる店舗もあれば、来店者にしか教えない店舗もありました。

タイヤの価格を知るにはオープン価格だろうが、希望小売価格だろうがリサーチしなければ損してしまうのは同じだが、オープンプライスは目安がわかりにくい

 オープン価格は実売価格をメーカーでなく小売店が決める、事前に決まっているのは卸値だけだというのは前述したとおりですが、これも大きなポイントとなってきます。

 卸値にどのくらい粗利を乗せるのかによって実売価格が決まるわけですが、タイヤの販売量など店舗によって卸値が違うため、必然的に実売価格にも差が出ます。

 希望小売価格から〇%OFFというのならユーザーも実売価格がわかりやすいですが、卸値は公表されませんので、とにかく価格がわかりにくい。

 ここまで読んでおわかりと思いますが、オープンプライスはメーカーにとって非常に都合のいいもので、ユーザーのメリットは限られます。

 オープン価格で損しないためには、どこの実売価格が安いのか、というリサーチが重要になってくるのは言うまでもありません。裏を返せば、リサーチせずに購入することは損することなる、と断言できます。

タイヤの需要はエコタイヤにシフトしていて、銘柄も多数出ているため選ぶ時は価格のリサーチも大変。得しなくても損しないために労力は惜しまないのが得策

タイヤに希望小売価格表示の波がくる!?

 これまでタイヤのオープン価格について言及してきましたが、実はタイヤのオープン価格の火付け役であるブリヂストンは、ポテンザ、レグノ、エコピアをはじめ多くのブランドでオープン価格ではなく希望小売価格を明示し始めています。

 これまでタイヤ業界では、トップメーカーのブリヂストンが変革を起こし、そのほかのメーカーが順次追従するというケースが多く見られました。タイヤへのオープン価格の導入の件もそうでした。

ブリヂストンは2014年にエコピアEX20を登場させた時以来、希望小売価格表示を増やしている。他メーカーは静観中だが、今後どうなるか注目だ

 ブリヂストンが希望小売価格を明示してきていることが、他のタイヤメーカーに今後波及する可能性もあるかもしれません。

 ただ、希望小売価格に戻るにしても、割引率は店舗によって違います。形態は変わりますがオープン価格と状況は変わりません。

 少しでも安く買いたいと思ったら希望小売価格であろうがオープン価格であろうが、リサーチするのは同じです。

 あの手この手を駆使して実売価格をリサーチして、満足のいく買い物をしていただきたいものです。

タイヤと並びクルマ界の人気商品となったドライブレコーダーは、希望小売価格とオープン価格が混在している状態。損しないためにはリサーチするしかない

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