マツダロードスタークーペ
販売期間:2003~2004年
マツダロードスターはライトウエイトオープン2シーターとして世界中で堅調な需要のあるスポーツカーだが、2代目モデルには限定車という形ながら2シーターのままクーペとしたロードスタークーペがあった。
ロードスタークーペはマツダで特装車などを手掛けるマツダE&Tが開発、生産を行ったモデルだ。
フィックスドルーフとしたしたことで車重は約10kg重くなった代わりにボディ剛性は2代目ロードスターに対し2倍以上に強化され、硬派なユーザーには歓迎できるクルマだった。
ロードスタークーペは2代目モデルだけで歴史を閉じ、3代目モデル以降ルーフがハードトップとなるロードスターは3代目モデルのRHTと現行4代目モデルのRFに引き継がれた。
これはまっとうな流れではあるが、ロードスターユーザーの中にはオープンカーである点はそれほど重視せず、ハードトップを着けたままクーペとして使う硬派な層も意外にいるのを考えると、可能なことならロードスタークーペは今でもあってもいいモデルだ。
トヨタサイノスコンバーチブル
販売期間:1996~1999年
1991年から1999年まで販売されたサイノスは当時のターセル、コルサ、カローラIIをベースに、主に北米市場向けのセクレタリーカー(秘書の女性などが乗るクルマ)となるお手軽な2ドアクーペである。
初代モデルからキープコンセプトで1995年にフルモデルチェンジされた2代目サイノスには1996年に4シーターオープンのコンバーチブルが追加された。
サイノスコンバーチブルは兄貴分のセリカのコンバーチブルと同様に日本で生産した車体を米国ASC社に送り、コンバーチブルに架装して日本に戻すという生産方法だった。
そのおかげでオープン機能のクオリティは上々でまずまず使えるリアシートを持ち、価格も160万円から210万円と内容を考えれば高くなかった。
サイノスコンバーチブルは残念ながら一代限りとなったが、1990年代はいずれも続かなかったものの2代目マーチ、2代目カルタス、ダイハツリーザなどに手軽なオープンカーがあり、自動車業界を華やかなものにするのにひと役買っていたのが懐かしい。
スズキアルトハッスル&日産AD MAX
販売期間:1991~1993年(アルトハッスル)、1992~1996年(AD MAX)
平成初期までフランス車の商用車にはルノーエクスプレス(5ベース)に代表される、ルーフ中央から後半に掛けての高さを増し、積載性と居住性を向上されたフルゴネットというジャンルがあり、それに倣ったのが3代目アルトのハッスルと2代目ADバンのAD MAXである。
それぞれコンセプトはわかりやすかったもののそれほど売れず、販売期間はともかくとして一代限りで姿を消した。
しかしアルトハッスルやAD MAXの存在がワゴンRやキューブのようなハイトワゴンの登場につながったところも少なからずあるようで、その意味では存在意義は決して小さくない。
それだけに今になると惜しかったのは、現在のルノーカングーやプジョーリフター&シトロエンベルランゴのような、「休みにはアウトドアにでも遊びに行きたくなるような」明るく楽しげな雰囲気が欲しかったことだろうか。
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