全店扱いに向けて準備を進める各販売店に状況を聞いた
全トヨタ系列店の全トヨタ車併売をスタートさせるにあたって、各販社の各店舗は2020年4月に入り、新規扱い車種のカタログを揃え、4月下旬から見積書の作成ができるように準備を進めている。
正式な新体制での販売開始は5月8日であるが、実質的には4月下旬からスタートする予定だ。
そこで全店扱い前の4月中旬、首都圏(東京地区を除く)のトヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の営業マンに現在の状況を聞いてみた。
■トヨタ店
まずクラウン、ランドクルーザー、ランドクルーザープラド、アリオンが専売のトヨタ店。
気になるのは全店統合に伴い、プレミオ/アリオンを統合すると予想されるが、現段階では今後どうするかは明らかになっていない。しばらくこのまま継続し、売れ行きの推移を見ながらどうすべきかを決めていくことになりそうだ。
アリオンはあまり売れていないが、他の3車種、クラウン、ランドクルーザー、ランドクルーザープラドは高額で収益も良いのでほかの3系列店にとっては魅力的なモデルといえる。
トヨタ店の営業マンは、
「クラウン、ランドクルーザー、ランドクルーザープラドのお客さんは長年の愛顧をいただいているので、他の販売店へ流れることはないと考えています。ただし、気を引き締めて既存のユーザーさんと接しています。
また重量級の車種のリフト(車検、定期点検用機器)を持っていない販売店も多いので、メンテナンス面でも不安を感じていません」とコメント。
■トヨペット店
トヨペット店はハリアー、ハイエース、アルファード、プレミオが専売だった。新型ハリアーは4月13日の発表、6月17日の発売だが、トヨペット店だけでなく他の販売店でもタブレットによる販売マニュアルやポスターなどが提示され、プレキャンペーンをスタートさせている。
トヨペット店の営業マンは、
「ハリアーはこれまで3代に渡って販売し膨大な既納ユーザーがいらっしゃいます。こうした人たちが代替え母体になっていますので、他の販売店への流失は少ないと予想しています。
ハイエースは専売店ならではのノウハウを持っていますし、特にメンテナンス面でも有利なので既納ユーザーが乗り替える時にも他の販売店に取られるという不安は感じていません。
アルファードに関しても、いずれヴェルファイアと統合し、アルファード1本になると聞いていますので優位に感じています。むしろ、人気車のヤリスやカローラ、ライズ、RAV4の台数をいかに増やせるか、勉強する毎日です」と明るい表情だった。
■カローラ店
カローラ店はカローラ、パッソ、ノアが専売だった。他3系列店はカローラを扱うことになり、大きな期待を寄せている。特にカローラスポーツ、カローラツーリングへの要望が多い。
カローラ店の営業マンは、
「カローラは長年に渡って販売してきたので、代替え母体は他の販売店の専売モデルよりも膨大なのでそんなに心配はしていませんが、やはり全店扱いになると、新規ユーザーが分散されますので、他の販売店へ流れることは間違いないでしょう。
ノアもヴォクシーとエスクァイアが廃止され、ノアに統合すると聞いていますので、元ノア専売店となる当販売店は優位になると思います。
実際、ノア(カローラ店)が欲しいお客様がいらっしゃると、ヴォクシー(ネッツ店)やエスクァイア(トヨタ店、トヨペット店)と比べたいというお客様も多いので、同時に見積もりがとれるというのはユーザーメリットは大きいと思います」と歓迎のコメントを寄せる。
■ネッツ店
ネッツ店はヤリス、ヴェルファイア、ヴォクシーが専売。ヴェルファイア、ヴォクシーはそれぞれアルファード、ノア/エスクァイアの兄弟車であり、いずれアルファードとノアに統合される。
アルファード/ヴェルファイアの統合は2021年末、ノア/ヴォクシー/エスクァイアの統合は2021年夏頃になる見込み。
専売モデルを失うネッツ店にとっては不安がいっぱいであり、従来の自社ユーザーをいかに抱え込むかにかかってるので、営業マンは危機感を持っているのではないだろうか。
ネッツ店の営業マンは、
「これまでヤリスは歴代ヴィッツとともに独占的に売ってきましたので、他の販売店が売るようになると、販売店同士で比較され、余計に乱売になるのはないと危惧しています。
ヴェルファイア、ヴォクシーともに今後はアルファード、ノアに統合されてなくなるので厳しい状況になると予想しています。
これまでの既納ユーザーを大事にしていき、車種が統合された際には、アルファード、ノアをお薦めしたいと思います」と不安を隠せない様子。
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