伝説の名珍車続々 オーテックジャパンが発売した令和に語り継ぎたい傑作車5選

エルグランドロイヤルライン

デビュー:1998年

エルグランドロイヤルラインは当時の日産の社長であった塙義一氏が社長車として使用していたことでも話題になったVIPミニバンのパイオニアだ

 1997年5月、キャラバンとホーミーのコーチはモデルチェンジしてエルグランドを名乗った。このラージサイズの7人乗り/8人乗りミニバンは、ロングスライド機構を採用することによって快適なリアの居住空間を実現している。

 が、さらに後席の快適性を高めようと、大胆なシートレイアウトに変えたのがオーテックジャパンの手になる「ロイヤルライン」だ。

 これは運転席の後ろに快適なアームレスト付きの豪華なキャプテンシートを配して「もてなし」の空間を広げたVIP仕様である。最初の作品は1998年に登場し、乗車定員はぜいたくにも4名だった。

 具体的には、2列目と3列目のシートを取り払い、そこにパーソナルジェットのように作りのいいセパレートシートを左右にふたつ並べている。

 キャビンで移動中に寛げるようにしたリムジン仕様で、前席とVIP席の間にはショーファードリブンのようにパーテーションの仕切りを設けた。

本来3列シートがあるべきスペースに2列仕様としたことで飛行機のファーストクラスを超える快適性を実現。1列目との仕切りも超豪華

 その後ろのテーブルにはテレビやVTRシステム、冷蔵庫などがある。右側にはパソコンを置くテーブルもあり、移動オフィスとして活躍できるのだ。

 このエルグランドのロイヤルラインは当時の日産の社長や役員も気に入っていたようで、プレジデントより快適という首脳陣も少なくなかった。

 エンジンは3.2Lの直列4気筒ディーゼルターボもあるが、上質なパワーフィールに加え、静粛性も高い3.3L、V型6気筒ガソリンエンジン搭載車が好まれている。

 ちなみに2002年春に登場した2代目のエルグランドにもロイヤルラインが設定された。

 2代目は3500VIPがベースだから、エンジンは3.5L、V6のVQ35DE型だ。ファンから「走る執務室」と呼ばれたのが、極上の空間を売りにしたロイヤルラインである。

ブルーバードシルフィブロアム

デビュー:2005年

小さな高級車を目指したブルーバードシルフィのブロアム。外観はシャンパンゴールドのグリル、アルミホイールでそのほかのグレードと差別化

 40~50代で働き盛りの団塊の世代に向けて送り出した使い勝手のいいミディアムセダンがブルーバードシルフィだった。

 その2代目がモデルチェンジするのは2005年12月である。2代目も初代と同じように子離れしたポストファミリーがターゲットだ。ティアナで好評だったモダンリビングの心地よさも売りにひとつに加えている。

 オーテックジャパンは「アクシス」を送り込むとともに法人向けに「ブロアム」も開発し、発売した。これはブルーバードシルフィの後席の快適性を高めたVIP仕様だ。

内装素材にこだわりベロア生地を採用し高級感を演出。公官庁ユースをターゲットに設定されたが、人気はイマイチでマイチェンジに消滅

 ブロアムは公官庁や法人向けに送り出されたラグジュアリーモデルで、シートやドアトリム、アームレストなどにフォーマルな雰囲気で手触りもいいベロア生地を採用している。

 また、空気清浄機能を備えたインテリジェントエアコンを採用し、後席には読書灯や木目調リアカップホルダーリッドなどを装備した。

 エンジンは1.5Lと2Lの直列4気筒DOHCで、2LエンジンにはエクストロニックCVTを組み合わせている。

 時代が緊縮の方向に向いていたから、ダウンサイジングしても豪華にしてセドリックの後継にしようと目論んだ。狙いはよかったが、見栄っ張りの公官庁の人たちから敬遠され、法人需要も伸び悩んでいる。

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