R33GT-Rオーテックバージョン
デビュー:1998年
1993年8月に9代目のR33型スカイラインが登場した。そして1995年1月、平成の第2世代のGT-Rがベールを脱いだ。
改良を施した2.6L、直列6気筒のRB26DETT型DOHCツインセラミックターボを積み、スーパーHICASにはヨーレイトフィードバック制御を加えている。
このGT-Rは2ドアクーペだ。が、スカイライン生誕40周年を記念して1997年12月に限定発売された「GT-Rオーテックバージョン40thアニバーサリー」は4ドアのセダンボディをまとっていた。
初代のGT-Rを知っているファンのなかには使い勝手のいい4ドアのGT-Rを切望する人が多かったのである。その声に応えてオーテックジャパンが4ドアのGT-Rを製作し、限定発売した。
型式は2ドアGT-Rと同じ「BCNR33」で、乗車定員は4名だ。GT-Rの標準仕様に準じているが、フロントバンパーやフェンダー、リアドアなどは専用デザインとなっている。
自慢のメカニズムはまったく変わっていない。RB26DETT型直列6気筒DOHCツインターボは280ps/37.5kgmと、ディチューンすることなく搭載された。
トランスミッションはダブルコーンシンクロを採用した5速MTだ。4WDシステムはアテーサE-TSを受け継ぎ、メカニカルLSDを組み合わせている。
この4ドアGT-Rは498万5000円のプライスタグを付け、400台ほどが販売された。
オーナーに渡っただけでなく神奈川県警などではパトカーとして使っている。これこそ、まさに「羊の皮を被った狼」だ。
ステージアオーテックバージョン260RS
販売期間:1997年
GT-Rを名乗っていないが、GT-Rのメカニズムを移植した飛び切り高性能なステーションワゴンがある。それが1997年10月に鮮烈なデビューを飾った「ステージアオーテックバージョン260RS」だ。
ステージアは1996年秋に送り出されたラージクラスのワゴンで、エンジンはR33系のスカイラインと同じ直列6気筒エンジンを積んでいる。
フラッグシップはRB25DET型DOHCターボで、これにシンクロモード付きのアテーサE-TSを組み合わせた。この上をいく高性能スポーツワゴンとして開発され、送り込まれたのがオーテックバージョン260RSである。
260RSは限定車ではなくカタログモデルだ。だからGT-Rではなく260RSを名乗ったのだろう。
が、採用するメカニズムはR33型GT-Rと同じである。6連スロットルチャンバー採用のRB26DETT型直列6気筒DOHCツインターボ(280ps/37.5kgm)を搭載し、トランスミッションは5速MTだけの設定とした。
サスペンションは4輪ともマルチリンクで、電動スーパーHICASも装備する。電子制御トルクスプリット4WDのアテーサE-TSも受け継いだ。
エクステリアは精悍なデザインで、大開口のフロントバンパーや専用グリル、大型ルーフスポイラーなどを装着しているから遠目でも260RSとわかる。また、対向4ポット式のブレンボ製ベンチレーテッドディスクも標準装備だ。
2001年にモデルチェンジして2代目になったとき、オーテックバージョン260RSは消滅した。今の日産からは絶対に世に出ない、異色の硬派ワゴンである。
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