ロータリーエンジン量産50周年の節目を迎える2017年、10月末より開催される東京モーターショーにはマツダの魂であるロータリーを搭載したコスモスポーツの復活が期待されている。
前回(2015年)の東京モーターショーにはロータリースポーツコンセプト、RX-VISIONが出展されたが、では今回もロータリースポーツコンセプトカーは出品されるのか? そしてその出品車の市販可能性は?
ベストカー本誌スクープ班の取材と考察を紹介したい。
文:ベストカー編集部 写真:MAZDA
ベストカー2017年7月10日号
■東京モーターショーで華々しく登場……という王道シナリオ
前回、2015年に開催された第44回東京モーターショーでは、ショーを代表する目玉車のひとつとして、RX-VISIONがワールドプレミア(世界初公開)出展された。
このコンセプトカーには「SKYACTIV-R」という名で新型ロータリーエンジンが採用され、駆動方式はFRであることが発表されていた。
そのいっぽうで、その量産モデルの実像についてはさまざまな憶測を呼んだ。
というのも、この憶測には2015年にマツダが先代デミオをベースに発表したデミオEV REレンジエクステンダーのシステムが背景にある。
330㏄の小型ロータリーエンジンを発電用に組み合わせていたが、当初はスポーツモデル用のシステムではなかった。
しかし、最近になってマツダが米国で出願していた2件の特許によってこのシステムが改良されていることが判明(このうちの1件はロータリーエンジンのためのアイドリング停止機構に関するものであった)。
このため、RX-VISIONの発展型ではこのREレンジエクステンダーを組み込んで登場するという噂が流れ、その見方が大勢を占めている。
■従来の環境対応車とは別のプロジェクト
本誌スクープ班の調査によると、マツダは2019年にSKYACTIV-EVの市場投入を明言しているが、それはRX-VISIONの流れを汲む新型ロータリースポーツの真の姿ではない。
レンジエクステンダーのバッテリーEVはあるものの、新型ロータリースポーツはまた別に存在するというのだ。
それを証明するかのごとく、あるマツダ関係者は「そっち(EV)もやるんですけど、当然それが皆さんから期待されているロータリースポーツの姿ではない、とだけ言っておきます。マツダファンの期待を裏切らない方向に向かっていますよ」と語る。
そうなると俄然、ロータリーエンジンの復活を高らかに告げるモデルとして、今秋の東京モーターショーで華々しくショーモデルを出展、「市販も」というファンの期待も大きく膨らむだろう。
経営陣からのGOサインがなかなか出ないとも伝えられるいっぽうで、開発陣からはそのメドがつき、ネックとされる燃費改善も目標となる30%以上の改善が可能だという関係者もいる。
いかにもFRスポーツらしいロングホイールベースを採用したデザインから一転、
今年の東京モーターショーの舞台でかつてのコスモスポーツのようなモデルが華々しく登場することにより、マツダブランドのイメージを高めるにはもってこいの機会となる。
東京モーターショーにロータリーエンジン搭載のスポーツカーが登場する可能性は高いが(もちろんプラグインハイブリッドカーの可能性もある)、搭載車の市販はその反響次第、といったところだろうか。
今年の東京モーターショーのマツダブースからはファンならずとも目が離せない。
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