■いよいよ試乗! 最大トルク102.0kgmって冗談かよ!
エンジンを始動するキーシリンダーは、センターコンソール中央下部にある。ちなみにメインキーも凝った造りで妥協はしていない。
イグニッションをONにしてスターターが回ると間髪を入れずエンジンが動き出す。意外にもエキゾースト音は静かだ。
ミッションは2ペダルでATモードとマニュアルモードのセレクトができる。搭載されるパワーユニットは、AMGが特別に開発した排気量5980㏄のV型12気筒ツインターボエンジン。
低回転域からトルクフルな加速を見せ5800rpmでピークパワーの730psに達する。最大トルクは驚異の102.0kgm。2250~4500rpmまでの中間域では力強い加速を見せる。
高回転まで回さなくても高いパフォーマンスを得ている理由のひとつは、連結されているXtrack社製シーケンシャルミッションとのマッチング。
さらに730psものパワーをダイレクトに路面に伝えられるのは、高性能のデバイスが備わるからにほかならない。
もしデバイスがなければ高い運転技術を持っていてもウアイラのパフォーマンスを引き出すのは困難だ。
そんなウアイラの実力を東京の一般道で体験することは難しい。それでも停止状態からアクセルを踏み込むと、その一端が垣間見える。
シートに張り付くような加速Gを形容するならば、まさに地上を走る戦闘機というイメージがピッタリ。
驚異のパワーユニットに求められるのは高性能のサスペンションとブレーキ。ウアイラのサスは高い旋回性能が得られるプッシュロッド式が採用される。
ちなみにこの個体には、パガーニがウアイラのパフォーマンスをさらに向上するためのパッチェット・テンペスタが追加装備される。
このオプションキットは、ドライカーボン製のフロントスプリッターとリアディフューザー、インチアップされたホイールにチタン製エキゾースト、さらにサーキットでも高いパフォーマンスを約束してくれるサスペンションが備わる。
オプション価格はなんと約2000万円! 新車のプリウスが9台くらい買える金額だ。
サスペンションはサーキットユースらしいが、直進状態では柔らかく、ゴツゴツして跳ねるような嫌な硬さはない。
でも旋回を始めるとタイヤがしっかり路面を捉え鋭い旋回性を見せる。ウアイラの重量バランスは44対56で、数字では少しリアが重い。
でも実際にドライブするとそんな感覚はまったくなくて優秀なサスペンションとデバイスコントロールが安全で高い操縦性を実現している。
■カーボンブレーキのすさまじい効き具合
さらに感動するのがブレーキ性能でローターはカーボン製。カーボンは熱が入らないと止まらないというネガティブな部分もあって街乗りでは適さないこともある。
でもウアイラのペダルタッチはカチッとしていて安心感のあるブレーキフィーリング。だから安心してアクセルが踏める。
ちなみにウアイラは、約200km/hから4.2秒で静止状態になるという驚きのブレーキを持っている。これだけのパフォーマンスを持ったクルマには不可欠な要素だ。
パガーニは今年3月、ジュネーブモーターショー2017でクーペの進化型『ウアイラロードスター』の発売を発表。
エンジンは若干パワーアップされ、764ps。クーペから64psアップされた。気になる車両価格は245万ユーロ。
限定100台だけど、すでに完売したという。おそらく日本にも数台登録されるだろう。
コメント
コメントの使い方