「自分では絶対買えないスーパーカーを、独自のコネで借りてきて乗る」という、無謀なるも夢にあふれた企画「スーパーカー劇場」(ベストカー本誌で連載中)、
今回はランボルギーニに在籍していた天才デザイナー、オラチオ・パガーニが1992年に設立、意欲的なスーパーカーを世に送り出し続ける「パガーニ」の市販モデル、「ウアイラ」の試乗を敢行。
レポートを担当するのは、一応レーシングドライバーとしても活躍する謎の映像制作会社社長、プリウス武井氏(本名武井寛史)。
AMG製V12エンジン搭載のモンスターマシンをいざ試乗!
文:プリウス武井 写真:平野学
■職人が手がけた彫刻作品のようなクルマ
ども!! 今回は、スーパーカー劇場史上最高額のスーパースポーツカー〝パガーニ・ウアイラ〟が登場!
フェラーリやランボルギーニ、マクラーレンなどとは一線を画し、近づくのも躊躇してしまうほどの存在感はまさにTheスーパーカー。
世界の大富豪に支持されている超レアモデルのインプレッションをお送りしちゃいます!
パガーニが7年の歳月を費やし、開発したウアイラを実際に目の前にすると、そのオーラに圧倒される。
よくクルマを芸術品と例えることがあるけど、ウアイラは研ぎ澄まされた感覚を持つ職人が手がけた彫刻作品のようだ。
パガーニが生み出すモデルは、生産台数が極めて少ない。今までパガーニの市販モデルの製造台数は20台程度だったが、ウアイラはアメリカの保安基準をクリアしたため製造台数は100台。
妥協を許さずきめ細かく作り込むため、1台が完成するのには長い時間を費やす。発売されると即座に完売しているが、すべてのオーナーに納車されるまで約3年もかかったという。
ウアイラはガルウイングドアを採用。ドアノブに触れると羽のように軽々と上部に跳ね上がる。
ショックアブソーバーが付いているから軽いのは当然だが、それだけではなくドア自体が軽量に作られている。ドアの形状はルーフ中央まで切り込まれ、ルーフが低いクルマだけど無理な体勢で乗り降りする必要はない。
カーボンとチタンで構成されるシートは、セミバケット形状で武骨なバケットシートとは違いドライバーを優しく包み込むようなホールド感があり、クルマと一体化したような感覚が味わえる。
座面にはダイヤルがあり、それで高さの調整が可能で自分の好みのポジションにオフセットできることも細かい気配りだ。
走りに特化したスポーツカーだと、インテリアはカーボンパーツなどでシンプルに構成されていることが多いが、パガーニの思想は違う。
ドライバーには煌びやかで高級な調度品で飾られた上質な部屋にいるかのような感覚。
ドライバーが目線を落とすと中央にはクルマの情報を表示する液晶モニター、その左右にタコメーターとスピードメーター、水温や油温といった補助メーターを配置。
ライトやワイパー、ウインカーのスイッチはデザイン性の高いステアリングにさりげなく配置。ステアリングには走行モードや電子デバイスの切り替えスイッチも備わる。
室内は細かいパーツ1つひとつに妥協した形跡はなく、小さなネジひとつ見ても強い拘りを感じる。それもパガーニのアイデンティティだ。
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