ハリアー、タフト…異例のSUV新車ラッシュ! 国産各社の狙いと背景は?

新型タフト「人気のハスラー対抗で軽SUV参入」

 好調に売れる背の高い軽自動車にSUVの要素を加える開発手法は、ダイハツネイキッド(1999年)、三菱eKワゴンをベースにしたeKアクティブ(2004年)などに見られた。

 しかしデザインが冴えず、当時は今ほどSUVの人気も高くなかったので、売れ行きが伸びずに消滅した。

 ところが2014年に発売された初代スズキハスラーは、内外装を上手にデザインした。基本設計は先代ワゴンRと同じだから、車内は広くシートアレンジも多彩だ。カッコ良さと実用性の両立という、SUVカテゴリーの魅力を踏襲して好調に売れた。

初代ハスラー(2014年発売)
初代ハスラー(2014年発売)

 ダイハツも2015年にキャストを発売する。SUV風のアクティバ、都会的なスタイル、ターボエンジン専用のスポーツもそろえたが、車種のイメージが曖昧になってハスラーに対する機能の優位も乏しく、売れ行きは伸び悩んだ。

 そこで改めて商品化されたのが、2020年6月に発売された新型タフトだ。後席のシートアレンジはシンプルで、スライド機能すら装着されない。背もたれが単純に前側へ倒れるだけだ。

6月10日にデビューした新型タフト
6月10日にデビューした新型タフト

 4WDの走破力を支援する付加機能もなく、ハスラーの後に登場しながら、荷室や4WDでは圧倒的に負けている。

 その代わり全車にガラスルーフやLEDヘッドランプを標準装着した。パーキングブレーキは電動式で、全車速追従型クルーズコントロールの追従停車時間が長引いた時は、電動パーキングブレーキを自動的に作動させて停車を続けられる。

 基本性能はハスラーに負けるが、装備の充実度と割安な価格で対抗している。

まとめ

 以上のようにSUVでは、いろいろなクルマ造りが可能だ。かつて北米で売られていたスバルアウトバックのように、セダンの最低地上高(路面とボディの最も低い部分との間隔)を高めてSUVに発展させる方法もある。

 エンジンやプラットフォームを共通化して効率の良い開発を行えるから、今はメーカーやブランド、サイズを問わずSUVに群がっている。

 いろいろな市場戦略に基づいてSUVのカテゴリーが活用され、商品の幅を広げているわけだ。メーカーにとって、SUVほど都合の良いカテゴリーはない。

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