■今はなきパジェロ、そして懐かしきいすゞのクロカンに注目するのも手だ
三菱では、なんといっても最終型のパジェロに注目したい。
クロカンというジャンル自体が不人気となったことで2019年に販売終了となってしまったわけだが、スーパーセレクト4WDIIがもたらす悪路走破性能は圧巻であると同時に、舗装路を走るのもけっこう得意。
端的にいって「いいクルマ」である。またパジェロの弟分というかスポーティ版である三菱チャレンジャーも気になるところだが、今となっては中古車の数がきわめて少ないのが難点。
日産では初代および2代目のテラノが有力だが、デザイン的にも中身的にもクロカン風味がより強いのは、ダットサントラックを源流とする初代のほうだろう。今見ても、というか今だからこそカッコいい、絶妙なカクカク系デザインである。
テラノ以上にデカいクロカンがお好みなら、日産の場合はサファリだろうか。これはトヨタランドクルーザーのライバルみたいなもので、人気はランクルのほうが圧倒的に高いが、人気薄なサファリにあえて乗るというのもいい。またミストラルもお薦め。
現在は乗用車の製造販売から撤退してしまっているいすゞだが、中古車市場ではそのクロカンモデルが割と豊富。
往年のクロカン(RV)ブームの立役者といえるビッグホーンは、初代も2代目も中古車はいまだ流通しており、そのシンプルな機能美は今見てもなかなかのモノ。
そんなビッグホーンのコンポーネントを使って作られたショートホイールベースなミューと、その5ドア版であるミューウィザード、そして1998年からのウィザードは、ちょっとピックアップトラックっぽいデザインが魅力。
未来的なデザインだったビークロスも忘れてはいけない1台だ。
スズキでは、これはもう説明するまでもなくジムニーか、その登録車版であるジムニーシエラで決まりだ。
世界を代表する「はたらくクルマ」であり、ガタイは小さいがクロカンとしての諸性能はトップレベル。とはいえ現行型は中古であってもまだぜんぜん高いので、先代のほうがコスパは断然よろしい。
■最近注目度高し! の輸入クロカンたち
輸入車では、やはりゲレンデヴァーゲンこと先代メルセデスベンツGクラスの性能と存在感が圧倒的だ。
先代であっても末期のキラキラしてるやつは「夜の六本木スペシャル」といった感じだが、1999~2001年式ぐらいであれば特にキラキラはしておらず、もともとの軍用車感が濃厚。
中古車相場もまあまあ手頃ゆえ、臆することなく野山を駆け回ることができるだろう。
先代Gクラスとほぼ同程度の悪路走破性能を誇るのがジープラングラー。その名からわかるとおり、源流は米陸軍の軍用車だったいわゆるジープ。
これも現行型は中古でもまだ高いため、買うなら先代(の後期型)がちょうどいい。3ドア版はどちらかといえば野山専用車で、5ドアの「アンリミテッド」は野山も夜の六本木も、どちらも似合うタイプの二刀流だ。
軍用車つながりでいけば、英陸軍特殊部隊に採用されていたランドローバーディフェンダーもかなりシブい。
設計が古いため舗装路での乗り味は正直イマイチだが、その無骨なたたずまいは、Gクラスやラングラー以上におしゃれ。もちろん、野山を駆けるうえでの性能もほぼ完璧だ。
もう少し現代的な作りのランドローバー製クロカンではディスカバリー3とディスカバリー4、その後継の「数字が付かないディスカバリー」が注目株だが、おすすめは2013年から2017年まで販売された先代の「数字が付かないディスカバリー」。
ダウンサイジングされた3L V6スーパーチャージドエンジンと、しゃれくさいデザインに変わってしまった現行型とはずいぶん違う、スクエアで古典的なフロントマスクがナイスバランスなのだ。もちろんクロカンとしての諸性能も申し分ない。
ということで、今どきのSUVに若干の物足りなさを感じ始めたならば、ぜひ古式ゆかしい“クロカン”の中古車に注目してほしい!
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