今やあって当たり前の装備 オートマチックハイビームは万能なのか?

オートマチックハイビームって万能なの?

 結論から書くと、自動ブレーキの性能がメーカーや車種によって大きな違いがあるのと同様に、オートマチックハイビームもその自動ブレーキのカメラが情報源になっているのもあり、「性能はクルマによって異なる」というのが実情だ。

 例えばつい最近暗い夜道で乗ったLEDライトで単純なオートマチックハイビームが付くクルマはロービームとハイビームが切り替わるタイミングに大きな不満はなかったが、「ロービームとハイビームが切り替わるタイミングとも遅い」というクルマもある。

写真上がロービーム、写真下がハイビーム。光量、光の拡散具合が大きく違うのは一目瞭然。照射距離はローが40m、ハイが100m
写真上がロービーム、写真下がハイビーム。光量、光の拡散具合が大きく違うのは一目瞭然。照射距離はローが40m、ハイが100m

 ただアダプティプタイプであれば切り替えがきめ細かいだけに、不満を感じることは少ないという傾向はある。

 また2019年にJAFが行ったテストでは、テストに使ったクルマの性能も考慮する必要もあるにせよ、対向車の有無によるロービームとハイビームの切り替えでは大きな問題はなかった。

 しかし対向バイクに対するロービームとハイビームが遅い、自転車と歩行者に対してはハイビームからロービームに切り替わらなかったという結果もある。

 さらにオートマチックハイビームは最低でも15km/h以上のスピード域でないと作動しないものでもあるので、この点を見ても万能とはいえないのがわかる。

オートマチックハイビームはハロゲンタイプ、3眼タイプLEDだろうが、ロー/ハイを自動切替するのは同じながら、クルマ、メーカーによって性能は大きく違う
オートマチックハイビームはハロゲンタイプ、3眼タイプLEDだろうが、ロー/ハイを自動切替するのは同じながら、クルマ、メーカーによって性能は大きく違う

まとめ

 オートマチックハイビームは夜間の事故防止に貢献する装備ではあるが、天候や道路環境によっても正しく作動しないことがある装備である。

 それは自動ブレーキやほかの運転支援システムとまったく同じであり、装着車なら積極的にオンにしていいが、自動ブレーキや運転支援システムと同様に状況によって最終的な判断と操作は「ドライバーが行うもの」ということを頭においてほしい。

 最後になるが、オートマチックハイビームは、義務化されたオートライトとは別物なので要注意。

 ちなみにオートライトは周囲の明るさに合わせて自動でライトの点灯/消灯を行うシステムで、2020年4月から乗用車の新型車への装着が義務化された。なお、継続生産車については、2021年10月からの義務付けとなる。

 法制化されたことによって、走行時は機能をオフにできないことが明記されたため、夜間の走行時はヘッドライトを消すことができなくなった点が注意すべき点だ。

 これは夜間に無灯火で走っているクルマがいることに対する安全面の強化と言える。

 視界確保、安全というスタンスは同じだが、機能が違うことがお分かりいただけたと思う。

『オートライトの落とし穴』はこちら

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