フィットの人気オプション
人気の高いメーカーオプションは、1位がホンダコネクトとナビ装着用スペシャルパッケージのセットだ。これを装着すると前席の天井に緊急通報ボタンが備わり、リアワイドカメラも含まれるから安全装備としても機能する。
このメーカーオプションに、ディーラーオプションの純正カーナビを組み合わせるわけだ。
そのほかリュクス専用のステアリングヒーター(リュクス4WDには標準装着)、クロスター専用のルーフレールも、装着比率の高いメーカーオプションとされている。
リュクス専用のステアリングヒーター、クロスター専用のルーフレールといった限定的な装備が装着比率の高いオプションになるのは不思議な気もするが、その理由は、現行フィットではメーカーオプションの種類を減らしたからだ。
従来型はメーカーオプションが多岐にわたり、組み合わせの種類も多すぎると判断された。この課題を解決するために、現行型ではグレードを5種類に増やして、メーカーオプションを減らした。
つまり5種類のグレードと数少ないオプション設定も、メーカーが効率を優先させた結果といえるだろう。
脅威はヤリスよりも同門のN-BOX!?
残価設定ローンの利用率は、フィット全体で28%だという。
フィットはコンパクトカーだから、法人が社用車として購入したり、レンタカーなどに使われるケースも多い。残価設定ローンの利用率が高い車種ではないから、28%は妥当だと思われる。
フィットの競争相手として真っ先に思い浮かぶのは、ほぼ同時期に発売されたヤリスだが、身内のN-BOXも手ごわい。
N-BOXは軽自動車では最大級の室内空間を備え、後席のドアはミニバンのようなスライド式だ。シートアレンジは多彩で、後席を畳めば自転車も積みやすく、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能も充実させた。
そしてN-BOXの価格はエアロパーツを装着したカスタムG・Lホンダセンシングが174万6800円だから、フィットにノーマルエンジンを搭載したホームの171万8200円とほぼ同じだ。
フィットのハイブリッド比率が高い背景には、ノーマルエンジンの価格帯はN-BOXに押さえられ、フィットの売れ筋が上級化した事情もある。
N-BOXが絶対的なベストセラーになると、フィットも少なからず販売力を削がれる。フィットがN-BOXと共存しながら売れ行きを伸ばすには、販売の好調なハイブリッドの価値をさらに高める特別仕様車、あるいはグレード追加などが求められるだろう。
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