新型フィット 発売5か月の「人気度」 多彩なバリエーションは吉と出た!?

5タイプの販売比率

 そしてフィットはモデルタイプの数が多い。実用指向のベーシック、質感と装備水準を高めた主力グレードのホーム、スポーティなネス、SUV風で3ナンバー車のクロスター、豪華指向のリュクスがある。

 この5グレードをノーマルエンジンとe:HEVの両方に用意した。

 従来のスポーティグレードはRSで、サスペンションに変更を施して走行性能も高めていたが、現行型のネスでは撥水シート生地などが特徴だ。

 クロスターの内装を5ナンバーサイズのボディに組み合わせて、フルオートエアコンに専用装備となるプラズマクラスターを内蔵したのがネスになる。5グレードの中では、魅力と位置付けがわかりにくい。

クロスター(手前左)、ホーム(手前右)、ベーシック(奥右)、ネス(奥中)、リュクス(奥左)という5タイプをラインナップするチャレンジングな販売戦略
クロスター(手前左)、ホーム(手前右)、ベーシック(奥右)、ネス(奥中)、リュクス(奥左)という5タイプをラインナップするチャレンジングな販売戦略

 現時点における各グレードの販売構成比は以下の通りだ。( )内は発売直後のデータになる。

【フィットのグレード別販売構成比】 
・ベーシック:20%(19%)
・ホーム:47%(47%)
・ネス:5%(6%)
・クロスター:14%(14%)
・リュクス:13%(14%)

※( )内は発売直後のデータ。直近のデータが全部合計して99%になっているのは小数点以下を丸めているため

ベーシック、ホーム、ネス、クロスター、リュクスの5タイプにすべて、ガソリンとハイブリッド、FFと4WDをラインナップ
ベーシック、ホーム、ネス、クロスター、リュクスの5タイプにすべて、ガソリンとハイブリッド、FFと4WDをラインナップ

ホンダはメーカーの計画に沿って売る傾向が強い

 発売直後と現時点で大きな変化はなく、ベーシックとホームの2グレードを合計すると70%近くに達する。逆にネスは5%と少なく、リュクスも若干減った。クロスターは14%で横這いだ。

 前述のとおりネスの魅力はわかりにくく、売れ行きも低迷している。今後装備や内装をわかりやすいように見直すか、モデューロXや以前と同様のRSに変更してネスは廃止することも考えられる。

最も売れているのは価格、装備のバランスに優れたホームで、デビュー当初から人気が高く、販売されたフィットのほぼ2台に1台はホームだ
最も売れているのは価格、装備のバランスに優れたホームで、デビュー当初から人気が高く、販売されたフィットのほぼ2台に1台はホームだ

 SUVの人気が高まった市場環境を考えると、クロスターの14%も少し控え目だ。

 ただし販売店では、「クロスターは販売計画台数が少なく、納期が約3カ月を要する。在庫車の豊富なホームなら1カ月以内、メーカーに発注しても1.5カ月で納車できるから、クロスターの納期は圧倒的に長い」という。

 こうなると購入条件も違ってくる。

 ホームの在庫車を選ぶと、商談次第では下取り車の売却額が高まったり、ディーラーオプションのサービス装着が多少増えたりする。

 それが納期を3カ月に伸ばしているクロスターでは期待しにくい。販売店も消極的になるから、クロスターの販売比率も増えにくい。

ネスはアクセントカラーが特徴的であはあるが、現状では大きな成果を上げていない。このままではマイチェンジに消滅の可能性もある
ネスはアクセントカラーが特徴的であはあるが、現状では大きな成果を上げていない。このままではマイチェンジに消滅の可能性もある

 もともとホンダの場合、メーカーの生産計画に沿って売られる傾向が強く、ステップワゴンも標準ボディは販売比率が下がった。

 その結果、e:HEVはエアロパーツを装着するスパーダのみに用意されている。ステップワゴンの発売時点では、標準ボディの専用色として乳白色のミルクグラスパールを用意したが、結局は廃止された。

 売りやすいグレードやボディカラーを重点的に生産する傾向は他メーカーにも見られるが、ホンダの場合は行き過ぎた印象も受ける。現行フィットのネスもそうだが、個性的な仕様を開発しながら廃止されるのは惜しい。

クロスターはブラックアウトしたオーバーフェンダーを備えるクロスオーバーSUVタイプで、5タイプで唯一全幅が1725mmの3ナンバーボディとなる
クロスターはブラックアウトしたオーバーフェンダーを備えるクロスオーバーSUVタイプで、5タイプで唯一全幅が1725mmの3ナンバーボディとなる

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