当時話題のアルテッツァを魅力的に変貌
1999年以降のモデリスタは、ドレスアップに主軸を置くのは同様だが、トータルバランスを追求したコンプリートカーの要素を強めていく。
その走りといえるのが、ハチロク的セダンとして脚光を浴びた「アルテッツァ」をベースとした1999年6月発売の「アルテッツァ クオリタート」だ。
アルテッツァの基本デザインを活かしたスポーティなエアロパーツを纏い、インテリアも赤を基調とした専用仕様へと変更。シビエ製フォグランプとフジツボ製スポーツマフラーが奢られていた。
さらにオプションに走行性能を高めるチューニングパーツを用意していた。因みにスーパーレッド外装色を採用した「クオリタート スーパーレッド」も翌年に追加された。
MR-Sベースの完全オリジナル車
ドレスアップにとどまらず、完全オリジナルカーにも挑戦した。
それがMR-Sをベースとしたモデリスタオリジナルモデル「カセルタ(2000年)」と「VM180ザガート(2001年)」である。
カセルタは、モデリスタ設立3周年を記念した限定車で、18世紀に建造されたイタリア南部の王宮の名が与えられているように、クラシックなイタリアンスポーツカーを意識した上品なスタリングが持ち味であった。
ボディパネルにはカーボンファイバーを多用した贅沢なもので、上級の「ラグジュアリー仕様」は、専用仕上げのレザー内装となり、その世界観を高めていた。
翌年投入された限定車「VM180ザガート」も贅沢な一台。
デザインは、ザガートの日本人デザイナー原田則彦氏によるもので、外板パーツをほぼ新設。スポーティな見た目に合わせて、TRDによるライトチューンが施されているのも特徴であった。
ザガートのコラボレーションは、ハリアーでも行われ、1998年の初代と2006年に2代目をベースに、専用エアロでドレスアップした限定車を送り出している。
モデリスタがレクサスLMにも影響を与えた!?
ドレスアップのイメージが強いモデリスタだが、独自の高級車の在り方にも挑戦。
その第1弾が、「エスティマハイブリッド “モバイルオフィス“」だ。ハイブリッドによる最大1500Wの電源供給機能を活かし、車内でパソコンやFAXなどの利用を可能とした動く社長室に仕立てた。
贅沢な作りのキャビネットで仕切られた後席スペースは、豪華な専用キャプテンシート2座だけとした4名乗車仕様であった。このモデルは当時、トヨタの張富士夫社長(当時)が専用車としても導入された。
その後、2006年6月発売の初代アルファード「ロイヤルラウンジ」へと発展。2代目アルファード/初代ヴェルファイアにも2008年に設定された。
そして、現行型となる3代目にも2015年に設定される人気モデルとなった。現在は、販売を終了しているが、そのコンセプトは、中国向けレクサスミニバン「LM」にも影響を与えたといわれている。
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