え? あんまり先代と変わってない!? いえ、思った以上に変わってます!! モデル末期でもバカ売れだったホンダN-BOXの新型が9月1日、ついに発売開始。
ちょっと見た目には変わった感の少ない新型。でも、そんな見た目の“ちょい変化”は、知れば知るほど中身の進化に直結していた。その新型の進化を紐解く鍵は、3つの“眼”だ!!
文:ベストカーWeb編集部/写真:編集部
『家族の厳しい“眼”』から生まれた仰天広々空間
今や、軽自動車を進化させることは至難の業。全長3.4m、全幅1.48m未満という規格は長らく変わらず、上に伸ばそうにも限界がある。室内スペース拡大の余地はないようにみえる。
でも、新型N-BOXの室内は広くなっていた!! 先代モデルと比べて、室内長で20mm、前後乗員間隔は25mm拡大。
新型N-BOXの担当デザイナーいわく「(デザインの自由度が減るので)もう勘弁してほしい」と言うぐらい、“チリも積もれば山となる”的努力の積み重ねが、この室内拡大を生んだ。
そんな努力の積み重ねを象徴する機構が『スーパースライドシート』だ。
家族で使う、あるいは両親が子どもの送り迎え使う。そんな使われ方がN-BOXには多い。そこで、車内を自由に移動できる『スーパースライドシート』を新たに開発。
なんとエアコンの形状にまでメスを入れ、助手席のシートをより前に出すことに成功。そして、助手席のスライド幅570mmを実現した。
この機構があれば、『後席の子供や荷物を降ろすため、(時には雨に打たれながら)助手席から一旦車外に降り、(せっかく暖めた車内の温度を下げながら)リアのドアを開けて……』といった一連の動作は不要。
家族の厳しい“眼”を満足させるべく生まれた機構が、N-BOXの室内をより広く使えるための進化につながったのだ。
『車の“眼”』ヘッドランプのデザインが燃費を上げた!?
そして、第2の“眼”は、文字どおり車の顔でもあるヘッドランプのデザインについて。特にカスタムのデザインがわかりやすい。下の写真は従来型のN-BOXカスタムと新型のカスタムだ。
見た目にも迫力重視のデザインから、洗練された顔へと変わったことが見て取れる。担当デザイナーが、新型のデザイン秘話を次のように明かす。
「通常、車のデザインではヘッドライトの形状って“後回し”なんです。でも、新型N-BOXではアイデアスケッチの段階からヘッドランプ込みでデザインしました」
「(ヘッドランプを含めたフロントフェイスの新形状は)空力もよくなっていて、これが燃費にも“明快に効く”。風洞に缶詰してデザインしましたからね」
軽量化(後述)の効果と併せて、実際にカタログ燃費も、25.6km/Lから27.0km/Lへと向上している。
さらに、歩行者の衝突保護対応のため、ボンネット高を上げたことで、運転席からボンネット先端が見えるようになり、視界もよくなった。
新型N-BOXの“眼”と“顔”は、デザインに留まらず燃費や視界をも向上させたのだ。
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