新型ハリアー受注殺到!! ライバルに比べてどうだ?? 公道試乗でガチ吟味

新型ハリアー受注殺到!!  ライバルに比べてどうだ?? 公道試乗でガチ吟味

 人気沸騰中のトヨタNEWハリアー。5月中旬から発売日までの事前予約では月販計画の8倍を超える2万5000台を受注した。納期も4ヶ月〜半年待ちといった状況になっている。

 今回はそんなハリアーに自動車評論家、また現役のプロドライバーでもある国沢光宏氏が公道にて試乗を実施。

 CX-5やCR-Vを相手にしてどうなのか? ボルボXC60、BMW X3を向こうに回して通用しているのか? オススメグレードは? ガソリン車とハイブリッドなら? などといった観点から、その乗り味と性能を吟味してもらった。

 その結果やいかに??

【画像ギャラリー】RAV4と同じプラットフォームなのに外観はよりスタイリッシュ!!! トヨタ ハリアーをギャラリーでチェック!!!

※本稿は2020年7月のものです
文:国沢光宏/写真:ベストカー編集部/撮影:平野 学
初出:『ベストカー』 2020年8月26日号


■ハリアー選びは楽しい悩みでいっぱいだ!

 新型ハリアーの売れゆきが好調だという。7月上旬時点で「なんとか年内に納車できると思います」。早くも半年待ちという状況!

 人気のSUVだし、予想よりお買い得感のある価格設定だし、カッコいい。そしてリセールバリュー最高ときた。売れる理由テンコ盛り!

 果たして冷静に評価すると魅力的なクルマなのだろうか? じっくり紹介してみたい。

ハリアーの価格一覧

 まず決めなくちゃならないのが、普通の2Lエンジンか、2.5Lハイブリッドか、という点だと思う。

 初期受注でハイブリッドを少しリードしているという2Lから試乗してみた。絶対的な動力性能だけれど、0~100km/h加速が「速さを感じるかどうかの目安」と言われる10秒前後ということもあり、必要にして充分。CVTがいい仕事をしていると思う。

全長4740×全幅1855×全高1660mmでホイールベースはRAV4と同じ2690mm、車重はハイブリッドがガソリンよりも90kg重い1680kg(FF)だ

 低回転域のトルクは薄いものの、アクセル踏むとすぐ回転上がり必要なパワーを引き出す。RAV4より入念な遮音対策しているため、エンジン音だって乗用車レベル。

 実用燃費は流れのいい道で14km/L前後。街中もアイドルストップ機能が付いていないのに、10~12km/Lと案外燃費良好。そんなことから2Lエンジン搭載車を推奨する同業者も多い。

インテリアの質感の高さはハリアーの大きな魅力のポイント

 続いて59万円高くなる2.5Lハイブリッドを試す。出力は171psから218psに上がる。低い回転域をモーターが補うため、NAなら3Lに匹敵するドライバビリティを持つ。

 圧倒的な違いは、巡航中からの追い越し加速。1500~2000回転で回っている時にアクセル踏むと、瞬時にモーターからトルク引き出す。

オプションで用意される調光式パノラマルーフは、開けることはできないが、柔らかな日の光を楽しめる

 乗り比べるとウソ偽り誇張なく3Lエンジンと同等の加速感です。また、従来のハイブリッドはモーターだけで走っていると超静か。エンジンかかった瞬間、にぎやかになった。

 ハリアーのハイブリッド、エンジンかかった時の静粛性は少し「悪い」という評価になるかもしれないが、エンジンの音質や振動特性よいため、むしろスポーティで気持ちよい。

■オススメは装備のいいGグレード以上!!!

 59万円という価格差(税金などの関係で実質的には50万円差)、納得できるだろうか? 燃料コストの差は走行1万kmあたり5万5000円前後ハイブリッドのほうが安く付く。

 10万km以上走るならハイブリッド優位。また、5年くらいで乗り換える時の査定額の差は25万円以上ハイブリッド優位。長く乗っても乗り換えてもハイブリッドのほうが安く付く。

ベースはRAV4だが、RAV4よりも25mm低く、140mm長いサイズでイメージはまったく異なる。流麗なクーペスタイルだが、最低地上高はハイブリッドが190mm、ガソリンが195mmを確保している

 それだけじゃありません。通常、2Lと3Lで30万円以上の価格差があります。性能高いのに燃料コストを考えたら安いのだから、私ならまったく迷うことなくハイブリッドを選ぶだろう。

 それでも2Lを選ぶ人が多いというのは、絶対的な価格なんだと思う。2Lなら乗り出し300万円台。ハイブリッドだと450万円近い。心理的なハードルある?

 またハイブリッドを選ぶなら、4WDというチョイスも魅力的だ! なんたって22万円しか高くない。せっかくSUV買うのなら、雪道走りたいでしょう。

パワーユニットは直4、2Lのガソリンと直4、2.5LハイブリッドでRAV4と同じ設定
ガソリン、ハイブリッドともにFFと4WDが用意されている

 試乗すると4WDの悪い点はまったくなし。実用燃費の差も無視できるレベルだという。手放す時のリセール、22万円以上高いと思う。こうなると軽く450万円突破ですワな。こういった「悩み」が楽しさです。

 気になる「絶対的な乗り心地の質感」は、国産車が相手ならCX-5にもCR-Vにも勝ち! RAV4と比べたって静かで滑らかだ。

 ただ同じクラスに属すボルボXC60やBMW X3と比べたら、道路の継ぎ目のような目地を通過するときのブルブル感などで少しばかり届いていない。

 最近のトヨタを見ると「ここまできたんだから欧州車と勝負しちゃえYO!」と思う。

 買うのならGグレード以上を薦めておく。なんたって前後方向録画装置(ドライブレコーダーですワな)付きのデジタルインナーミラーが標準装備される。これ、絶対欲しい。

前後方向録画機能付きデジタルインナーミラー

 また残価設定で買うと驚くほど安い! なんせ残価が3年なら57%。5年も47%と大きい! 400万円のハリアーで5年契約すると、5年間でおよそ半額だけ払えばよい。

主要諸元

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