新しい水平対向エンジンはハイブリッドやPHV化も視野に
ちなみに2020年規制をクリアできない場合、表向きは「1車種につき100万円の未達金」を払えばいいのだけれど、国交省ってそんな甘くない。「認可しない」という強い権力を持つからだ。
ここからは推測ベースになるけれど、2020年規制クリアができていない新型レヴォーグを認可する代わり、新しいパワーユニット戦略を提示したんだろう。
そのヒントが新型レヴォーグに搭載されている新設計の『CB18』にあるという。あまり詳しく紹介されていないCB18ながら、じっくり見ると興味深い。
最大の特徴は、ボアピッチ(シリンダー中心の距離)を短くしている点にある。ボアピッチ変えると生産設備まで変更しなければならず、文字通りのフルモデルチェンジ。
なぜ巨額の投資をおこないボアピッチを短くしたかといえば、おそらくエンジンの後方にハイブリッドユニット+変速機を設けるためです。
今までのFBエンジンだとハイブリッドシステムを組み込んだらエンジン前端とミッション後端の長さが過大になる。そこでボアピッチを詰め=エンジン全長を短くしたワケ。何と40mmも短くなった!
トヨタと同じようなハイブリッドを開発するのなら、ターボ付けない1800ccにすればよかろう。CB18エンジン、ターボでも熱効率40%に達している。開発目標を聞いていると、トヨタや日産、ホンダの新世代エンジンと互角。
また、従来通りの駆動系を使える構造のため、後輪にモーター使う4WDでなく本格的なフルタイムも実現可能だ。
参考までに書いておくと、新型レヴォーグと同じサイズのボディ+ほとんど同じ出力のSKYACTIV-Xを搭載するCX-30の燃費は、WLTCで15.8km/L。
同13.7km/Lの新型レヴォーグにSKYACTIV-Xと同じくマイルドハイブリッドを組んだら、けっこう近い燃費になると思う。CB18のポテンシャルって素晴らしい!
ということで、おそらくスバルは新世代のCBエンジンをさまざまな車種に搭載していくのだろう。
もちろん、本格的なハイブリッドやPHVもラインナップに含むに違いない。遠からずCAFE2020年規制の20.3km/Lに到達するという「将来図」を国交省に提出しているんだと思う。じゃなければ新型レヴォーグの認可を出さない。
レヴォーグの新エンジンはパワー面でもポテンシャルあり
さて、ここまでは環境問題を重視するジャーナリストとしての評価です。クルマ好きのポジションからCB18を見るとどうか?
意外や意外! CB18はパワーも出せるエンジン設計になっているそうな。
従来型レヴォーグに搭載されていたFB16はギリギリの強度設計になっており、パワーアップの余地なし。そのまま乗るしか無かった。
けれどCB18は、名機EJ20と同じくパワーアップの余地を残す。おそらくロムチューンだけで200馬力/320Nmくらいまで出せるんじゃなかろうか。
タービンをワンサイズ上げれば、さらにパワーアップ可能だと思う。200馬力出せたら初期型レガシィGTと同じ出力になる。けっこう楽しめるパワーユニットに育つ。面白そうですね!
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