スバル 水平対向エンジンの危機と新たな可能性 燃費規制にどう対応?

スバル 水平対向エンジンの危機と新たな可能性 燃費規制にどう対応?

 鍵は新型レヴォーグの新しい水平対向エンジンにあり!?

 昨今、いっそう規制が強化されるなかで、燃費の悪い車種は存続の危機に瀕している。この燃費規制はメーカーの総量規制となるため、ハイブリッド車など燃費の良いモデルを多数展開するメーカーが有利に。

 一方で、ラインナップ全体で燃費の良いハイブリッドなどが少ないメーカーにとっては厳しい規制となる。

 そのクルマ作りは高く評価されつつも、燃費に特化したモデルがないスバル。同車を象徴する、独自の水平対向エンジンは今後どうなるのか? 国沢光宏氏が解説する。

文:国沢光宏、写真:スバル、トヨタ、撮影:池ノ平昌信

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スバルにとって厳しい「企業間平均燃費」

スバルはフォレスターなどにマイルドHVのe-BOXERをラインナップするが、WLTC燃費は14.0km/Lと、爆発的に燃費の良いモデルが少ないことが課題
スバルはフォレスターなどにマイルドHVのe-BOXERをラインナップするが、WLTC燃費は14.0km/Lと、爆発的に燃費の良いモデルが少ないことが課題

 2020年から『CAFE』(企業平均燃費)と呼ばれる厳しい燃費規制が始まっているなか、スバルはCAFE基準に到達していない新型レヴォーグを発表した。

 ちなみに、新型レヴォーグのJC08燃費は16.6km/L。2020年CAFE規制値をみると、商用車などを除き販売しているクルマ全ての平均燃費を20.3km/L(JC08相当)にしなければならない。

プリウスを始めとするハイブリッド車やコンパクトカーを保有しているトヨタ
プリウスを始めとするハイブリッド車やコンパクトカーを保有しているトヨタ

 2020年規制、ハイブリッド車やコンパクトカーが多いトヨタ優位なことはイメージできると思う。けれどスバルにとって厳しい。

 燃費の良いコンパクトカーを全廃。本格的なハイブリッド車の開発着手は早かったのだけれど凍結。

 電気自動車も日産や三菱自動車より早いタイミングで取り組んだけれど、これまた電池技術を日産に売却して諦めた。なぜか。技術系の役員が(すでに引退している)、パワーユニットにまったくお金を掛けなかったためです。

 現在のラインナップ、燃費規制が緩いアメリカ市場をメインに考えたモデルばかり。結果、8月以降、レヴォーグを除きスバルで生産しているモデルの受注を中止している。2020年規制に対する何らかの対応をしているのだと思う。

次ページは : 新しい水平対向エンジンはハイブリッドやPHV化も視野に

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