新型ヤリスクロスがめっちゃ売れてる!! 長所とあえて探した気になる短所


ヤリスクロスの欠点とは?

 ヤリスクロスは、ライバル比較も含めて走行性能、燃費、安全装備が優れ、価格は割安だ。その代わり欠点もある。

 まず後席が狭い。前述のとおり価格を割安にした代わりに、ヤリスクロスのホイールベースはヤリスとほぼ同じだ。着座位置が少し高いものの、足元空間に大差はない。

ヤリスクロスはボディは大型化されているが、ヤリスとホイールベースが同じ2560mmのため、リアシートのスペース、居住性はライバルに対し劣っている

 従ってライバル同士で後席の広さに順位を付けると、ヴェゼルが最も広く、次がキックスで、ヤリスクロスは3位だ。C-HRやタイで発売されたカローラクロスのほうが後席は広い。

 小回り性能も、ボディサイズの割りによくない。キックスは全長が4290mm、ホイールベースは2620mmで最小回転半径は5.1mに収まるが、ヤリスクロスは4180mm・2560mmと短いのに、最小回転半径は5.3mに拡大する。

 装備にも不満がある。安全性を高めるブラインドスポットモニターとリヤクロストラフィックオートブレーキは、GとZにはオプション設定されるが、低価格のXとハイブリッドXには装着できない。安全装備はすべてのグレードで公平に選べるようにすべきだ。

ブラインドスポットモニター&リヤクロストラフィックオートブレーキをオプション設定しているが、全グレード対象ではないのが不満

 運転席が回転して乗降性を向上させるターンチルト機能、シートの調節位置を記憶させるイージーリターン機能は、安全装備とは逆に、最上級のZには用意されない。選ぶ時はグレードと装備の組み合わせに注意したい。

 これらの欠点に不満がなければ、ヤリスクロスは買い得なコンパクトSUVだ。

ガソリン車とハイブリッド車の損得勘定

 次はヤリスクロスのベストグレードについて考えたい。

 まずノーマルエンジンとハイブリッドの選択だが、価格はGとZの場合で、ハイブリッドが37万4000円高い。購入時に納める税金は、ハイブリッドの環境性能割(旧自動車取得税)と自動車重量税が非課税になるため、実質差額は約30万円に縮まる。

 そこで実用燃費をWLTCモード燃費、レギュラーガソリン価格を1L当たり135円で計算すると、30万円の実質差額を燃料代の節約で取り戻せるのは13万kmを走った頃だ。ノーマルエンジンの燃費も優れているので、取り戻せるまでの距離が伸びた。

※それぞれFF同士で比較。ヤリスクロスのモーターについては、最高出力、最大トルクの発生回転数は未公表

 従って損得勘定では、1年間の走行距離が1万5000kmを超えると、ハイブリッドを選ぶ価値も高まる。それ以下ならノーマルエンジンだ。

 しかしハイブリッドはモーター駆動を併用するため、実用域の加速が滑らかでノイズも小さい。運転感覚の違いでハイブリッドを選ぶこともできるため、両タイプを試乗してから結論を出したい。

 駆動方式は用途に応じて選ぶ。4WDの価格は2WDに比べて23万1000円高いが妥当な金額だ。ハイブリッドは後輪をモーターで駆動する4WDを採用する。

ハイブリッドは燃費がいいだけでなく、走りの面において音や振動が少なく、ガソリンモデルに比べて必然的に質感が高くなる

次ページは : 最もオススメなのはGとハイブリッドG