日産ルークスが突き抜けられない理由 期待に反して伸び悩み!?

ルークスは早くも売れ行きが下降傾向!?

 そこで気になるのが日産ルークスの売れ行きだ。2020年3月19日に発売された新型車なのに、売れ行きが低迷している。

 コロナ禍の影響がどうにか収まった2020年6月における軽自動車の販売ランキング順位は、N-BOXとスペーシアに続く3位であった。

 7月は、N-BOX、スペーシア、タント、ムーヴ&同キャンバス、ハスラーにも抜かれて6位まで後退した。8月の順位も変わらず6位。

 ライバル車が現行型に刷新されたのは、N-BOXが2017年、スペーシアは2018年、タントは2019年だから、ルークスは新しい。それなのに早くも新型車としての豊富な需要が一巡して、売れ行きが下降傾向に入った印象を受ける。

リアデザインはスッキリしてスポーティ。背の高さを感じさせないデザインはユーザーにも好評だ
リアデザインはスッキリしてスポーティ。背の高さを感じさせないデザインはユーザーにも好評だ
スーパーハイトワゴン軽自動車では、N-BOXの強さは相変わらずだが、スペーシアがタントを逆転して2位に浮上。ルークスは4位
スーパーハイトワゴン軽自動車では、N-BOXの強さは相変わらずだが、スペーシアがタントを逆転して2位に浮上。ルークスは4位

ルークスの商品力は強力なライバルと比べても高い

 ただしルークスの商品力は、三菱が取り扱う姉妹車のeKスペース&eKクロススペースを含めて十分に高い。

 エンジンとプラットフォームは、2019年に登場したデイズと同様に新しく、動力性能と走行安定性は軽自動車として十分に満足できる。後席の座り心地は硬いが、チャイルドシートを装着するなら問題ない。畳めば自転車も積める広い荷室に変更できる。

背の高さを生かしたスペースユーティリティに加えてリアシートを倒した時の利便性はライバルにまったく負けていない
背の高さを生かしたスペースユーティリティに加えてリアシートを倒した時の利便性はライバルにまったく負けていない

 そして衝突被害軽減ブレーキは、センサーにミリ波レーダーと単眼カメラを使い、ドライバーの死角に入る2台先の車両も検知できる。前方で危険が生じた時、早い段階でドライバーに警報を発することが可能だ。

 ペダルの踏み間違い事故を防ぐ誤発進抑制機能は、前後両方向に対応した。緊急時の救援依頼などを行えるヘルプネットのSOSコールも用意している。運転支援機能のプロパイロット装着車も選択できる。軽自動車でありながら、先進機能を充実させた。

数々の安全装備が充実しているルークスだが、ハイトワゴンのルークス同様に、軽自動車ながら高級車の装備のヘルプネットを設定している
数々の安全装備が充実しているルークスだが、ハイトワゴンのルークス同様に、軽自動車ながら高級車の装備のヘルプネットを設定している
アラウンドビューモニターは車庫入れが苦手という人にとっては重宝するアイテムで、他メーカーに先駆けて日産が商品化
アラウンドビューモニターは車庫入れが苦手という人にとっては重宝するアイテムで、他メーカーに先駆けて日産が商品化

ルークスの伸び悩みは日産の販売規模の限界!?

 そこで日産の販売店に、ルークスやほかの日産車の売れ行きについて尋ねた。

「ルークスは、従来型(デイズルークス)からの乗り替えが多いですが、この需要は最近になって落ち着きました。今ではコンパクトカーのキューブ、あるいはセレナからダウンサイジングされるお客様が増えています。またルークス以上に、ノートとセレナの人気が根強いです」(日産販売店談)

 N-BOXが好調に売れるホンダの場合、N-WGNの追加もあって、国内で売られるホンダ車の50%以上が軽自動車だ。その点で日産の軽自動車比率は、40%少々に収まる。軽自動車が増えているものの、ホンダほど高い比率ではない。

日産のセールスパワーがセレナに集中し、それがニューモデルのルークスに影響を及ぼしている点は否定できない。日産のセールスパワーの強化は急務
日産のセールスパワーがセレナに集中し、それがニューモデルのルークスに影響を及ぼしている点は否定できない。日産のセールスパワーの強化は急務

 また日産では、国内販売台数が全般的に少ない。ルークスをフルモデルチェンジした今でも、メーカー別の国内販売ランキング順位は、トヨタ、ホンダ、スズキ、ダイハツに次ぐ5位だ。

 2020年1~8月の販売累計で、日産車の売れ行きはトヨタの34%、ホンダの75%だから、日産の販売規模もルークスの売れ行きに影響しただろう。

 ちなみに近年の日産の軽自動車販売台数は、おおむね1年間に18万~20万台で推移している。ホンダは34万~37万台だ。各メーカーとも、それぞれ年に応じて新型車を投入しているが、年間の販売推移を見ると大きな変動は生じていない。

新プラットフォームの採用により走りはスーパーハイトワゴン軽自動車でトップレベル。特にNAエンジン搭載モデルの走りは劇的に進化
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