軽自動車はコンスタントに売れることが重要
このような売れ方になるのは軽自動車の特徴でもある。日常生活のツールだから、新型にフルモデルチェンジしても、ユーザーが飛び付くように売れて、届け出台数が急激に伸びることはない。
その代わり優れた商品で価格も割安なら、ユーザーは車検期間の満了などに合わせて、確実に乗り替える。発売から時間を経過しても安定して売れ続け、次期型にフルモデルチェンジされるまで、販売台数をあまり落とさない。
その代表的な車種は、絶大な人気を誇るN-BOXだ。1カ月平均の届け出台数は、現行型が発売された2017年が1万8207台、2018年は2万156台、2019年は2万1125台となる。
2018年より2019年のほうが、売れ行きが上回った。発売から時間が経過するほど、売れ行きが伸びているのだ。
かつてワゴンRが軽自動車の販売1位だった時代も、同様の売れ方をした。新型の発売直後の届け出台数がいまひとつだから、「外観が変わり映えしないため、さすがに飽きられてきた」などといわれたが、数年後には軽自動車の販売1位になっていた。
ライバルに対して存在感が薄れている!?
このような軽自動車の売れ方を考えると、現時点ではルークスの本当の人気を判断しにくいが、2020年7/8月における軽自動車の販売順位が6位に甘んじたのは気になる。
届け出台数も6月が9431台、7月は7958台と下がった。8月も6208台と低いが、お盆休みも入るので判断しにくい。
全高が1700mmを超えるスライドドアを備えた軽自動車は、各車種にメカニズムの特徴はあるが、外観が似通っていて違いもわかりにくい。
最近は好調な売れ行きと相まって、N-BOX、スペーシア、タントの存在感が強く、ルークスの印象が薄れていることも考えられる。
スーパーハイトワゴンは外観や価格が似通ったクルマの集合だから、売り方や宣伝の仕方によっては埋没しやすい。
今はルークスハイウェイスターがエアロパーツを装着してスポーティに仕上げ、姉妹車のeKクロススペースは、SUV風のテイストにしている。
この設定は日産と三菱のブランドイメージに合っているが、今後はルークスにもスペーシアギアのようなSUV風の派生車種が必要かも知れない。
商品力を考えると、ルークスはもう少し売れていい商品だ。
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