スバルの高性能モデルを手がけることでも知られるSTI。東京モーターショーではスバル WRX STIをさらに性能アップさせたS208を出展中だ。
同ショー直前の9月末、そのSTIを率いる平川良夫社長を直撃。インタビューでは、S208以上の性能を持つコンプリートカーを検討していることも明らかになった。
そのスーパースポーツは、かつてインプレッサWRXに設定された22B-STiバージョン級となる可能性もありそうだ。
文:編集部/写真:SUBARU
ベストカー2017年11月10日号
STI 30周年記念車はS208以上の性能を持つ!?
——さっそくですが、まず東京モーターショーに出展するS208に平川さんが込めた思いはどのようなものでしょうか?
平川良夫社長(以下敬称略、平川) 最近、スバル、STIは丸くなった。走りのイメージが湧いてこない……。そういう声がちらほら聞こえてきます。そんなふうに思われているお客様に満足していただけるよう開発したのがS208です。
外観も走りもすべて研ぎ澄まされた車に仕上げています。STIは丸くなっていないんだ、というところを会場で見て感じていただきたいと思います。
——S208は限定450台の販売なので、おそらく即完売するのではないでしょうか。そこで気になるのが、S208の次のクルマです。ズバリ、もう計画していますか?
平川 単刀直入な質問ですね(笑)。2018年4月2日にSTIは創立30周年を迎えますので、それを記念したコンプリートカーを出したいですね。
——来年4月2日に出されるのですか? そのモデルはWRX STIベースですか?
平川 現時点では発売時期、具体的な車種はお答えできません(笑)。現在のSシリーズはかつてのSシリーズとは違い、動力性能や旋回性能だけでなく、上質さを兼ね備えた方向に振っていますが、30周年記念モデルは“純粋なSTI”を味わっていただけるようなスーパースポーツにしたいと思っています。
——もう少し詳しく教えていただけますか。
平川 これまでのSTIのコンプリートカーのさらに上のパフォーマンスを持ったスーパースポーツです。
——スーパースポーツということは、S208を大きく超えるってことですか? ライバルは2Lターボで340ps、380psがあることを考えると、そのライバルたちに肩を並べるパフォーマンスになるんでしょうか?
平川 現時点で詳しく言えませんが、期待していただいて構いません。
車名には「S」ではなくかつての「R」が付く可能性も?

——そのスーパースポーツはSの名が付くのですか? それともRですか?
平川 Sではないアルファベットが付くことになると思いますが、まだ決まっていませんので……。
——いずれにしてもようやくSTIが重い腰を上げて、突き抜けたクルマを出すんですね。ワクワクします! それはEJ20エンジンを搭載するのですか?
平川 その枠にこだわっていませんが、まだどうなるか、わかりません。
——来年あたりにSTIからスーパースポーツが出ると聞いたら、大騒ぎになるのではないでしょうか。そのモデル以外、STIの今後はどうなっていくのでしょうか?
平川 まずはSTIブランドを強化することが重要で、そのための第一のステップとして、レヴォーグや新型BRZに設定した最上級グレードの「STIスポーツ」を定着させたいと思います。
もちろん、それ以外の車種にもSTIスポーツは増やしていきたいですし、スーパースポーツ以外にも魅力的なコンプリートカーは考えていきたいです。
——将来的にはEVやハイブリッド車にもSTIモデルを出す予定はありますか?
平川 STIとしては、どんなモデルであってもSTIモデルをラインアップしていきたいですね。STIらしい特徴、世界観を持たせて。
——ありがとうございました。実に歯切れのいいお言葉でビックリしました。
平川 STIブランドは純粋なモータースポーツブランドです。それなのに最近STIは丸くなったという声を聞いています。それを払拭するために“知的なんだけど、危険な香りがするクルマ”を作っていきたいと思っています。
特に、来年4月にSTIは創立30周年を迎えますので、なにか記念になることをやりたいですね。
