まじめさが仇になるも今こそこういうクルマを!! 広くて快適なのに成功できなかったクルマ5選

トヨタラウム

販売期間:1997~2003年(初代)、2003~2011年(2代目)

日本車史上ラウムほどまじめなクルマは存在しない。デザインも実直という表現がピッタリで、派手さとは無縁だった
日本車史上ラウムほどまじめなクルマは存在しない。デザインも実直という表現がピッタリで、派手さとは無縁だった

 ラウムは初代、2代目と販売されたが、ここでは2代目について考察する。

 2代目ラウムは初代の『人に優しいコンパクトカー』というコンセプトをさらに徹底して、クルマに初めてユニバーサルデザインを採用した画期的モデルだった。

 両側スライドドアを採用し、特に助手席側はセンターピラーレスの左右非対称ボディで開口部を広くして乗降性を高め、リアシートの居住スペースもコンパクトカーとは思えないほど広かった。

 また、サイドウィンドウの下端を低くすることでサイド視界は良好だったし、全高が1550mmを切る1535mm(FF)だったので、立体駐車場も楽々と利用できた。

両側スライドドア、左右非対称ボディによる助手席側のピラーレス、フロア高を下げるなど、人に優しい設計が最優先されている
両側スライドドア、左右非対称ボディによる助手席側のピラーレス、フロア高を下げるなど、人に優しい設計が最優先されている

 メーターは視認性に優れていて、スイッチ類も大きくデザインされていて、配列を含めて非常に使いやすいものだった。

 日本車史上ラウムほど、ユーザーフレンドリーでまじめなクルマはないだろう。

 使い勝手のよさだけでは売れない、というのはトヨタもわかっていたと思うが、デザインを含め実直でまじめさを貫いた姿勢は評価できる。ラウムを2台にわたり販売したのは、トップメーカーのトヨタの意地でもあり、トヨタだからこそ商品化でき。

 SUVなど見た目の派手さはあるが、高齢ドライバーには乗り降りが困難なケースも出てくるので、ラウムのようなコンセプトのクルマが今後見直されるかも。

ラウムとともにユニバーサルデザインを纏ったポルテは現行モデルが2代目となるが、次期モデルは存在せず、現行モデルで消滅する可能性が高い
ラウムとともにユニバーサルデザインを纏ったポルテは現行モデルが2代目となるが、次期モデルは存在せず、現行モデルで消滅する可能性が高い

ラウムの最新中古車情報

日産ルネッサ

販売期間:1997~2001年

日産がパッケージングに革命を起こそうとした意欲作のルネッサ。日産ではステーションワゴンではなく、マルチ・アメニティ・ビークルと呼んでいた
日産がパッケージングに革命を起こそうとした意欲作のルネッサ。日産ではステーションワゴンではなく、マルチ・アメニティ・ビークルと呼んでいた

 ルネッサは3ナンバー専用ボディのワゴンタイプで1997年にデビュー。

 ルネッサの車名はルネッサンスに由来するもので、パッケージングに革命を起こす、というコンセプトのもとに開発され、日産ではルネッサはワゴンではなく、マルチ・アメニティ・ビークルと呼んでいた。

 実際にリアシートのユーティリティはよく考えられていて、スライド、リクライニングによってとてつもなく広いスペースを実現。最も後ろまでスライドさせると、1mほどのスペースが生まれ、前席は回転対座モードにするとリビング的にも使えた。

このアングルから見るとルネッサはクロスオーバーSUV的なフォルムを採用していた。目の付けどころはよかったが、1代限りで消滅してしまった
このアングルから見るとルネッサはクロスオーバーSUV的なフォルムを採用していた。目の付けどころはよかったが、1代限りで消滅してしまった

 が、快適性という点では少々難があった。ルネッサは後にEVが追加されるが、このEVありきで開発された弊害として、フロア下にバッテリーを搭載するスペースにより、リアシートの着座姿勢は膝が上がった感じになっていた。

 脚を伸ばせる状態までリアシートを下げれば確かに快適だったが、通常状態だと広いがどことなく窮屈感があったため、広さほどの快適性はなかった。

 最大のセールスポイントを生かせなかったことこそ、ルネッサが1代限りで消滅してしまった最大の要因だ。

リアシートを最も後ろまでスライドさせると、前席との間には1mほどの空間が出現。この状態で脚を伸ばせば、リムジン以上の快適性だった
リアシートを最も後ろまでスライドさせると、前席との間には1mほどの空間が出現。この状態で脚を伸ばせば、リムジン以上の快適性だった

ルネッサの最新中古車情報

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