まじめさが仇になるも今こそこういうクルマを!! 広くて快適なのに成功できなかったクルマ5選

ホンダアヴァンシア

販売期間:1999~2003年

アヴァンシアはアコードワゴンと乗用タイプミニバンのオデッセイのいいとこ取りをしたうえで、さらに高級感が加味されていた
アヴァンシアはアコードワゴンと乗用タイプミニバンのオデッセイのいいとこ取りをしたうえで、さらに高級感が加味されていた

 日産がリアシートの快適性を追求して前述のルネッサを登場させたのに対し、ホンダは全高がアコードワゴンより高く、オデッセイより低いワゴンタイプのアヴァンシアを1999年にブランニューデビューさせた。

 この当時、どのメーカーもセダンに代わるカテゴリーのクルマを模索していて、アヴァンシアはホンダが導き出したひとつの回答で、アヴァンシアをステーションワゴンではなく、4ドアクラブデッキと呼んでいた。

2001年のマイチェンで、サスペンションに専用チューニングを施したヌーベルバーグを追加。走りのポテンシャルは高かったが、販売を好転させるには至らず
2001年のマイチェンで、サスペンションに専用チューニングを施したヌーベルバーグを追加。走りのポテンシャルは高かったが、販売を好転させるには至らず

 フロントマスクはおとなし目で、なだらかなルーフラインが美しいデザインが与えられていた。大人受けするシックなムードも持っていた。そう、アヴァンシアは、実用性、機能性よりも高級感にプライオリティが置かれていた。

 3列シートミニバンのオデッセイに対し、アヴァンシアは2列シートモデルで、リアシートに贅沢なスペースを確保して、快適な空間に仕上げると同時に、内装材、シート素材などにもこだわることでほかのホンダ車と差別化されていた。

 が、当時は実用性や利便性が重視されていたこともあり、ワゴンとしての実用性を求めるならアコードワゴン、多人数乗車できる利便性、スペースユーティリティの高さを求めるならオデッセイということで、両モデルにユーザーが流れた。

 ユーザーにはアヴァンシアは中途半端な存在と映り、新たな価値観を創造することはできなかった。

アヴァンシア自慢の高級感満点のインテリア。リアシートの広さもさることながら、素材にこだわりを見せていたが、新たな価値観を創造することはできなかった
アヴァンシア自慢の高級感満点のインテリア。リアシートの広さもさることながら、素材にこだわりを見せていたが、新たな価値観を創造することはできなかった

アヴァンシアの最新中古車情報

ホンダZ

販売期間:1998~2002年

軽自動車規格が改訂された1998年にホンダ初の軽SUVとしてデビューしたZ。水中メガネの愛称で親しまれた初代Z以来、24年ぶりに車名復活
軽自動車規格が改訂された1998年にホンダ初の軽SUVとしてデビューしたZ。水中メガネの愛称で親しまれた初代Z以来、24年ぶりに車名復活

 1998年10月に軽自動車規格が改訂され、それに合わせて登場したのがブランニュー軽自動車のZだ。初代とはコンセプトがまったく違うが、24年ぶりにZの車名が復活して話題になった。

 ホンダ初にして唯一の軽SUVのZは、ホンダらしい独創的な技術、フロア下にエンジンを縦置きにしたミドシップ4WDのUM-4を採用。

 このUM-4は50:50の前後重量配分を実現することで、走行性能を高めているが、もうひとつは室内スペースの確保という恩恵があった。

 ホンダはZのアピールポイントとして、スーパーロングキャビンという名称で、軽自動車ながらコンパクトカー並みの居住空間を確保したとアピールしていた。

エンジンをフロア下のミドに縦置きし、4WDと組み合わせたUM-4を採用。重量配分の最適化と室内スペースの拡大に大きく貢献した画期的技術だった
エンジンをフロア下のミドに縦置きし、4WDと組み合わせたUM-4を採用。重量配分の最適化と室内スペースの拡大に大きく貢献した画期的技術だった

 SUVタイプ、広い室内、ミドシップ4WDと、今の時代なら売れる要素満載で、人気モデルとなること間違いなし、といった感じだが、当時は受けなかった。

 広い室内を実現してユーティリティの高さをアピールしたが、3ドアモデルしか設定していなかったので、乗降性の面から敬遠された。

 そして、当時の軽自動車のトップセラーのスズキワゴンRが69万8000~118万7000円だったのに対し、ZはNAが114万8000円、ターボが128万8000円とかなり高めの価格設定となっていた。いくら革新的なメカニズムや小型車並みに広いといっても厳しかった。

 返す返す、登場する時期が早すぎたと痛感する悲運の個性派だ。

コンパクトカー並みの広さを誇るZの室内空間。ホンダはスーパーロングキャビンと命名して大々的にアピールしていた
コンパクトカー並みの広さを誇るZの室内空間。ホンダはスーパーロングキャビンと命名して大々的にアピールしていた

ホンダZの最新中古車情報

【画像ギャラリー】広くて快適だが販売で苦戦した悲運の5台をジックリ見る!!

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