新型シボレーコルベット登場!! じっくりチェックでわかる真の実力

新型シボレーコルベット登場!! じっくりチェックでわかる真の実力

 今年(2020年)1月に開催された東京オートサロンで初披露された、シボレーの新型コルベット。

 この時は予約受付が開始されたのみだったが、8月27日に改めて日本仕様の価格やラインナップについて正式に発表された。納車は2021年5月開始の予定だ。

 8代目となる今回のニューモデルで注目されるのは、なんといってもFRからミドシップへの大転換。

 傍から見ればそれはこれまでの“伝統”を捨てるようなものだが、シボレーにすれば、これはしかし過去に検討を重ねながら果たせなかった、むしろ必然とも呼ぶべき「進化」なのだ。モータージャーナリスト 渡辺敏史氏の試乗レポートとともにお伝えする。

■新型コルベットのポイント
・ミドシップレイアウト採用
・日本仕様は右ハンドル車
・コンバーチブルも導入

【画像ギャラリー】米国を代表するスポーツカー!!! シボレーコルベットの画像をギャラリーでチェック!!!

※本稿は2020年9月のものです
文/渡辺敏史、ベストカー編集部、写真/シボレー
初出:『ベストカー』 2020年10月26日号


■コンバーチブルは史上初のハードトップを採用

クーペ2モデル&コンバーチブルをラインナップ
クーペ2モデル&コンバーチブルをラインナップ

 アメリカを代表するハイパフォーマンススポーツカーであるシボレーコルベット。8代目となる新型は昨年7月にアメリカで発表。

 その最大の特徴は、従来のFRレイアウトから初のミドシップレイアウトへと変更したことだ。

エンジンは495hp/637Nmを発生する6.2L V8OHVエンジンをミドに搭載。トランスミッションは8速DCT
エンジンは495hp/637Nmを発生する6.2L V8OHVエンジンをミドに搭載。トランスミッションは8速DCT

 革新的モデルチェンジだが、ミドに積まれるエンジンは伝統であるOHV方式のV8を搭載。

 とはいえ、新型では新開発となるLT2と呼ばれる6.2L V8へと換装され、そのスペックは最高出力495hp、最大トルク637Nm(約65kgm)を発揮。

 トランスミッションも新開発となる8速DCTが組み合わされる。

 また、新型コルベットにはオープン仕様の「コルベットコンバーチブル」がラインナップされているのだが、このコンバーチブルが日本仕様に用意されることも今回の発表のトピックだ。

 これまでコルベットのコンバーチブルはソフトトップだったが、新型ではコルベット史上初の格納式ハードトップを採用し、これによってキャビン内の静粛性やセキュリティ面は向上。

 ルーフはシームレスな形状のため美しいエクステリアを実現している。

コンバーチブルのルーフは電動開閉式のハードトップを採用。デザインも美しい
コンバーチブルのルーフは電動開閉式のハードトップを採用。デザインも美しい

 なお、ハードトップは二分割の電動格納式で、開閉に必要な時間はわずか16秒。走行中も約48km/hの速度まで作動が可能となっている。

 今回、日本に導入されるラインナップは、クーペが標準仕様の「2LT」(1180万円)とカーボンパーツやよりレーシーなシートなどを採用する「3LT」(1400万円)、それに「コンバーチブル」(1550万円)の3グレード。

 日本仕様は全車右ハンドルとなり、最新の通信型カーナビ「クラウドストリーミングナビ」が搭載される。

写真は海外仕様で左ハンドルだが、日本仕様は右ハンドルが導入される
写真は海外仕様で左ハンドルだが、日本仕様は右ハンドルが導入される

■ミドシップを採用した新型の走りは?

(TEXT/渡辺敏史)

 国際格式レースへの参戦を本格化させた5代目=C5コルベットは、ミッションを後軸直下に置くトランスアクスルの採用で戦闘力を大幅向上。

 ル・マン24時間での活躍もあり、スポーツカーとしての名声は一気に高まった。

 以降、C6、C7と同様の構成でコルベットはレースに参戦し続けたわけだが、その間に勝敗を分かつパワーやエアロダイナミクスは劇的に変化したこともあり、勝つためにはパッケージを完全刷新することが必須の条件となりつつあったわけだ。

シートは上級グレードの3LTのほうがよりレーシーなタイプが装備される
シートは上級グレードの3LTのほうがよりレーシーなタイプが装備される

 コルベットは70年近くに及ぶ長い歴史の狭間で幾度もミドシップ化を検討してきたが、このC8でついに踏み切った背景には、サーキットベストの意向が働いていたことは間違いない。

 とはいえ、多くのユーザーが望むだろうGT的なパフォーマンスはコルベットにとっての生命線だ。そこが疎かにされることはあり得ない。

 C8はミドシップながら前後に357Lのトランクルームを配しており、乗り心地のよさや車内の快適性は、ポルシェ911とほぼ同等レベルに達しているという印象だった。

コルベットらしい、押し出し感のあるスタイル
コルベットらしい、押し出し感のあるスタイル

 ハンドリング面では旧態然としたイメージのOHV・V8が、いかに運動性能面で合理的なエンジンかを思い知らされる。

 持ち前の小型・低重心パッケージのおかげで安定性はすこぶる高く、旋回限界はGT-Rにも迫るほどだ。

 一方でこのクラスとしてはやや長めに採られたホイールベースもあって、直進性や高速制動などのスタビリティもしっかり確保されている。

 見た目の先鋭的な印象とは異なる、安心して速く走れる仕立てにGMの良心も感じられる。

■シボレーコルベットクーペ3LT 主要諸元
・全長×全幅×全高:4630×1934×1234mm
・ホイールベース:2722mm
・車両重量:1526kg
・エンジン形式:V8OHV
・排気量:6153cc
・最高出力:495hp/6450rpm
・最大トルク:637Nm/5150rpm
・トランスミッション:8速DCT
・タイヤサイズ:245/35ZR19・305/30ZR20
・価格:1400万円

■ラインナップ・価格
・クーペ2LT…1180万円
・クーペ3LT…1400万円
・コンバーチブル…1550万円

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